競馬・新潟記念は今年も荒れる!? 人気馬の陰に隠れた2頭の素質馬が高配当を運んでくる
「2歳夏に新馬勝ちを果たしたものの、その後は惜しい競馬が続いて3歳時は10戦未勝利。しかし、4歳となった今春に2勝目を挙げると、その後は2着、1着、1着と、一気に重賞制覇まで遂げる躍進ぶりを見せています。心身のパワーアップも顕著で、前走のマーメイドSではデビュー以来最高の468kgでの出走でした。 近走ではコーナー4つの右回りコースで結果を残してきており、今回の1ターンの左回りコースに対して不安視する声もありますが、2歳時のGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)や、3歳時のリステッド競走・スイートピーS(東京・芝1800m)など、過去には1ターンの左回りのレースでも、3着、2着と奮闘。まったく割引材料にはなりません。 むしろ、今回のメンバーを見渡しても、末脚勝負のタイプが多く、ここも単騎逃げは濃厚。自分で競馬を作れる点からして、アドバンテージのほうが大きいです。有力視される面々がそろう後方組は、牽制し合って動き出しが難しくなる分、なおさらです。 加えて、台風の影響によって馬場が渋る可能性が高いですが、走法的には道悪も苦にしないタイプ。事実、やや重、重のレースでは、連対を外したことがありません。後方に控える有力馬のキレ味が渋化馬場で削がれることになれば、残り目への公算が一段とアップするはずです。 鞍上は新人の柴田裕一郎騎手ですが、同馬で初勝利。所属厩舎の馬とあって、思い入れもかなり強いです。積極的な競馬で、再びアッと言わせてほしいです」
藤田記者が注目するもう1頭は、セレシオン(牡5歳)だ。 「筋の通った血統で、デビュー2連勝を飾った好素材。気性面や脚部不安で出世は遅れましたが、ここにきて軌道に乗ってきた印象です。集中力が出てきたことで、より長くいい脚を使えるようになっています。 舞台となる新潟も、4戦2勝、2着1回、3着1回と好相性。前走のオープン特別・関越S(7月27日/新潟・芝1800m)は3着に敗れましたが、開幕週のレースで出遅れたうえ、外を回らされてのもの。最後は勝ち馬とコンマ1秒差まで追い上げ、内容的には中身の濃い競馬を見せたと思います。 結果的に、その敗戦で斤量は前走より1kg軽い56kg。ハンデ的には"恵まれた"と言っていいでしょう。鞍上の荻野極騎手も手の内に入れてきた感があり、発馬さえ五分に出られれば、重賞でも勝ち負けできると見ています。 それに、同馬を管理する友道康夫厩舎は、新潟記念4勝、同じ条件のGIII新潟大賞典も2勝と、新潟を"庭"にしています。直近2年も、人気薄のユーキャンスマイルを送り出して連続2着。2頭出しの今回、人気はレッドラディエンスでしょうが、馬券的な狙い目はこちら、と踏んでいます」 いよいよ終わりを告げる夏競馬。最後に大きな花火を打ち上げるのは、どの馬か。ここに名前が挙がった2頭であってもおかしくない。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu