「息子の死を無駄にすることは許されない」若手医師が月200時間超の時間外労働で自殺…遺族が約2.3億円の賠償求め提訴「二度とこのような事が起こらないようにして」
「まさに晨伍の第二の人生の始まりだと思って」
また、淳子さんは「二度とこのようなことが起こらないでほしい」などと訴えました。 「大きな職責を担う医師だからこそ、しっかりと口で言うだけではなく、まずは晨伍の死を遺族とともに振り返り、反省をして欲しい。甲南医療センターは労務管理を改めて欲しい。そして晨伍に誓って二度と同じことが起こらないようにして欲しい。晨伍は『優しい優しい上級医になりたい』と言いました。その時の照れた笑顔が忘れられません。晨伍はもう医師として沢山の患者さんを救うことはできませんが、理不尽に一石を投じるため、命を投げ出しました」 「この私たちの小さな営みが、将来きっと多くの若手医師や家族を救い、晨伍の供養にもつながることでしょう。人間は誰もが役目を背負っているのだと。この民事提訴は、まさに晨伍の第二の人生の始まりだと思っております」
おととし5月、神戸市にある「甲南医療センター」の消化器内科の専攻医だった高島晨伍さん(当時26)が自殺しました。高島さんは100日間連続で勤務し亡くなる直前の1か月間の時間外労働は207時間余りで、西宮労働基準監督署は「極度の長時間労働により精神障害を発症し自殺した」などとして、去年6月に労災認定していました。 2月2日、高島さんの両親は運営法人「甲南会」と具英成院長を相手取り過重労働を知っていたのに是正措置をとらなかったため自殺したとして、2億3000万円余りの損害賠償を求め大阪地裁に提訴しました。
提訴を受けて甲南医療センターは「新聞報道にて、本日にも訴訟が提起されていることについては承知しておりました。重く受け止めております。ただ訴状の内容については拝見しておりませんので、コメントはいたしかねます。なお、訴訟が提起されたことにつきましては公平な裁判所のもとで問題解決のための手続きが行われることだと位置づけており、真実に基づき裁判所にご判断をいただくべく、誠実かつ適切に粛々と対応してまいる所存でございます」としています。