【DeNA】痛ければ歩いてかえればいい…オースティン横浜帰還導く先制弾でゆっくりとダイヤモンド
<日本シリーズ:ソフトバンク0-5DeNA>◇第4戦◇30日◇みずほペイペイドーム 【写真】先制本塁打を放つオースティン DeNAが敵地で2連勝を飾り「横浜帰還」を決めた。4回1死、タイラー・オースティン内野手(33)が右翼席に先制ソロを放つなど、3安打2打点の大活躍。左足甲の打撲で第2戦を欠場し、痛みを抱えながらも強行出場を続ける4番が勝利に導いた。三浦大輔監督(50)がソフトバンクに2連敗後に目標に掲げた横浜スタジアムへの帰還を確定させ、26年ぶりの日本一へ突き進む。 ◇ ◇ ◇ 足が痛ければ、歩いてかえれば良い。オースティンが乾いた打球音を響かせた。4回1死、ソフトバンク石川の146キロ直球を逆方向にはじき返す先制ソロ。痛めた左足をかばいながら、ゆっくりとダイヤモンドをまわった。「本当は全打席歩いてかえってこられるように本塁打を打ちたいんですけど…打つことが出来てうれしかったです」と充実の表情を浮かべた。 強行出場でも打席に立てば関係なかった。第1戦の自打球の影響で、左足甲を打撲し、第2戦を欠場。痛みはアドレナリンで吹き飛ばす。2回には一走として佐野の右前打で三塁まで全力疾走。「ぶっちゃけめっちゃ痛かった」と嘆きながらも、ケガで離脱が続いた昨季までの2年間を考えれば、この痛みなんて大した問題じゃない。「自分は野球を愛していて、できることならば毎日プレーしたい。過去の2年はプレーしたくてもできない、悔しいシーズンを過ごしました」と試合に出場できることが何よりの喜びだった。 三浦監督も絶対的4番への信頼感は変わらない。第3戦の試合前には、試合開始1時間半前のフリー打撃で状態を確認し、当日判断で4番を託した。「痛みがないわけないですから。いっぱいいっぱいのところでよくやってくれてます。できる限りの全力を尽くすTA(オースティン)の気持ちが、選手やスタッフにも伝わってると思います」とたたえた。 7回には宮崎のソロ、桑原の2点適時打に続き、2死満塁から手負いの4番が左前適時打。この回一挙4得点で試合を決定付けた。2連敗から重たいムードで幕を開けた7年ぶりの日本シリーズも、2勝2敗のタイ。三浦監督が2連敗後に目標に掲げた「横浜帰還」も確定させた。「必ず戻るという気持ちでやっていました。その前に明日、全力で出し切れるよう準備していきます」と指揮官。26年ぶりの日本一まであと2つ。下克上物語は横浜で完結させる。【小早川宗一郎】 ▼4番のオースティンが決勝点となる先制弾を含む3安打で、1番の桑原も3安打。シリーズでDeNA選手の猛打賞は17年第6戦ロペス以来。1番では98年第5戦石井琢に次ぎ2人目だが、4番では球団初になる。この試合は勝利投手がケイ。シリーズで勝利投手とV打がともに外国人は、15年第5戦のソフトバンク(勝利=スタンリッジ、V打=李大浩)以来12度目。 ▼DeNAが2勝2敗のタイに戻した。引き分けを含め2勝2敗のシリーズは30度目。過去29度のうち追い付いたチームの優勝は14度でV確率48%だが、今回のように●●○○のチームは過去14度のうち7度優勝しており、V確率50%で五分となった。これで今シリーズは<4>戦まですべてビジターチームが先制して勝利。<4>戦までビジターチームの4連勝は、11年ソフトバンク-中日戦以来6度目。先制チームの4連勝は17年ソフトバンク-DeNA戦以来で、ビジターチームがすべて先制で4連勝は今年が初めてだ。