新型BMW X7 xDrive 40d エクセレンスはロールス・ロイスの賜物か!? 超大型高級SUVは凄かった!!!
気持ちのよい抵抗感
短時間ながら首都高速も走ってみた。ディーゼルといってもさすが直列6気筒。ガソリンエンジンみたいにスムーズにまわる。だけど、最近のガソリンエンジンみたいなスムーズさではない。ちょいとばかしザラつきがある。ザラつき。という表現だと悪くとられるかもしれないけれど、そうではない。アルミの削り出しの塊同士を、そのまま擦り合わせるような気持ちのよい抵抗感なのだ。 アクセルをちょいとばかし開けるだけで、この巨体が瞬時に反応するのはMHEVのモーターがアシストしているからだろう。東名の料金所からフル加速してみたら、直6ディーゼルはレッドゾーンが始まる5000rpmあたりまで快音を発して伸びやかにまわってみせた。 いわゆるドライブモードをスポーツに切り替えると、足まわりが若干硬めになり、路面によっては、胴上げされているようなニュアンスを感じることもある。コンフォートにすると、同じ胴上げでも、選手たちが監督を放り投げることなく、背中をそっと持ち上げているように感じられる。 こんな巨体が、たやすく加速し、4輪操舵のインテグレイテッドアクティブステアリングの標準装備もあって、ちゃんと曲がり、ちゃんと止まる。巨体ゆえ、制動力の立ち上がりは若干遅めのような気もするけれど、すぐに慣れる。あらためて筆者は思った。BMWは技術レベルがものすごく高い、と。 おそらく、と、これは筆者の想像ながら、グループ内にロールス・ロイスがあることと関係しているのかもしれない。 ロールスはだって、地上最大の乗用車なのだからして。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)