新型BMW X7 xDrive 40d エクセレンスはロールス・ロイスの賜物か!? 超大型高級SUVは凄かった!!!
乗り心地に芯がある
ZFの8速オートマチック・トランスミッションに組み込まれたモーターがただモノではない。最高出力12ps/2000rpm、最大トルク200Nm/0~300rpmと諸元にある。たとえば、トヨタ・プリウスの2.0リッターハイブリッドのフロントモーターの最大トルクが206Nmだから、それと同等のトルクをMHEV用のモーターが備えている。 しかも、モーターでアシストされる2992ccの直6ディーゼルターボは性能が大幅に引き上げられてもいる。改良前は265ps/4000rpm、620Nm /2000~2500rpmで、改良後は340ps/4400rpmと700Nm/1750~2250rpmを発揮、引き算すれば、75pstと80Nmも強力になっている。モデル名が従来のX7 xDrive 35dから同xDrive 40dへと昇進しているのは理由がある。システム最高出力は352ps、同最大トルクは720Nmと主張されている。 記憶のなかのX7 xDrive 35dより、大きさを感じない。都内の一般道を走っているとボディの大きさが気になる場面もあったけれど、それにしたってアクセルに対するレスポンスがものすごくよい。ひと呼吸置くことなく、瞬時にスッと動く。車重は2570kg(車検証値)もあるのに……。 でもって、乗り心地がすばらしい。前275/40、後315/35の22インチのピレリPゼロのランフラットを履いているというのに、ふわりふわりと雲の上を走っている感がある。セルフレベリング機能付き4輪アダプティブエアサスペンションのおかげにちがいない。22インチのタイヤ&ホイールゆえ、バネ下に重いものがある感は伝わってくる。だけど、最新のX7 xDrive 40dにはそれを上まわる上屋がある。記憶のなかの従来型35dより快適な気がするのは、70kgほど車重が増えたおかげかもしれない。上からの押しが効いている。ふわりふわり、と書いたけれど、トロトロの柔らかさではない。スパっとした歯応えがある。乗り心地に芯がある。ランフラットタイヤがアルデンテの、歯切れのよさを生んでいるのかもしれない。