米ダウ2万5000ドル超え その背景にある「優しさと強さ」
中国の輸出入減の影響はほぼなく
次に、米国経済の力強さが確認されたことも、株価上昇に寄与しています。世界経済を見渡すと欧州、中国、日本が減速基調にあるのをよそに米国経済は堅調そのもので、米中貿易戦争の影響は「どこ吹く風」といった状況です。米中貿易戦争をめぐっては、1月の中国の対米輸出入が大幅に減少するなど不気味なデータがある一方で、この減少は米企業の景況感にはほとんど影響を与えていないようです。また雇用統計では、政府機関の一部閉鎖による影響がわずかにみられたものの、全体の数値は改善傾向にあり、米国の内需の底堅さが確認できました。堅調な雇用環境を後ろ盾に米国経済の約7割を占める個人消費が強さを維持すれば、景気後退は考えにくく、企業収益は増益を保つと考えるのが自然です。 以上みてきたように、最近の米国株上昇は、FRBの金融引き締めが終わりつつあること、米国経済が堅調に推移していること、この2点で説明可能です。
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