株式投資のプロが教える「失敗する投資家の悪い習慣」ワースト・5
新NISAがスタートし、株式投資を始めた人も多かった2024年。しかし、2024年の相場を振り返れば、日経平均株価の史上最高値更新から、歴史的な株価急落と、ビギナーにとっては相場の面白さだけでなく、難しさや怖さも感じられる1年だった。今回は最近投資を始めた人に向けて、クイズを解きながら「株で勝つ技術」が身につく『株トレ』シリーズが話題の窪田真之氏に「投資で失敗する投資家の習慣」を聞いてみた。 ● 失敗する投資家の習慣とは? Q.「投資で失敗する投資家」の共通点を教えてください。 1つ目は、①「利確が早く、損切りが遅い売買をしている」です。 そうではなく、「損切りは早く、益出しは遅く」できるようになりましょう。 「損小利大」が大事だとよく言われますが、8割以上の投資家はこれを実践できていません。 いろいろな銘柄を買えば、上がる銘柄、下がる銘柄がそれぞれ出てきます。そんななかで、上がった銘柄はすぐ売ってしまうけれど、下がった銘柄は絶対に売らない。 これを繰り返していると、手元には悪い銘柄ばかりがどんどん増えていってしまいます。 「日経平均は上がっているのに、ちっとも儲かっていない」と言っている人はこのパターンです。 大切なのは、「何を売るかではなく何を残すか」です。 この点を意識して投資をすれば、「損切りは早く、益出しは遅く」という形になっていきます。 ● 短期間で急騰した銘柄は要注意 2つ目は、②「人が大成功した銘柄を追いかけて買う」です。 たとえば、「私はこの株を買ったら3倍になりました」という話を聞いて、その株を買うといったことです。 慎重派の人からすると「3倍になった後に買う人なんていないでしょ」と思うかもしれませんが、じつはこういう人がかなり多いんです。 特に、短期間で急騰した銘柄は急落するリスクも高いので注意が必要になります。 ● 売買するときは、チャートを見てテクニカルを考慮する 3つ目は、③「チャートを見ないで投資をする」です。 2つ目の「人が大成功した銘柄を追いかけて買う」タイプの人は、「この会社がいい」という話を聞いたら、すでに株価が高騰して、過熱感があるにもかかわらず買ってしまうことがあります。 しかし、これは危険です。人の話を聞いて株を買った時が、ちょうどテクニカルでは「売りシグナル」が点灯したタイミングということもあるのです。 株には買い時や売り時があり、それはテクニカルで判断できます。 株を売買する際には、しっかりチャートを見るようにしてください。 ● 銘柄は自分で選ぶようにする 4つ目は、④「銘柄を自分で選ばない」です。 銘柄の選択を他人頼みにする人が、投資で成功するのは難しいでしょう。 「儲かる銘柄を教えてください」や「何を買ったらいいですか?」がそういった人たちの口癖です。 他人におすすめ銘柄を聞いたところで、結局売ったり買ったりするのは自分です。 他人頼りになるのではなく、投資の知識を身につけ、自分で銘柄を選べるようになりましょう。 ● 都合のいい情報だけを信じてはいけない 5つ目は、⑤「自分に都合のいい情報だけを信じてしまう」です。 チャートを見て、買いシグナルにはしたがうのに、売りシグナルが出たときに、「いや、この銘柄は長期で成長する半導体株だから売らなくていいんだ」といったように、自分にとって都合のいい解釈をしてしまう人がいます。 チャートに限らず、株価にとってプラスの情報だけを見て、マイナスの情報は無視するような行動をしてしまう人が多くいるのです。 しかし、このような投資をしていては、手元に悪い銘柄ばかりが残っていくので注意が必要です。 ● 投資には「勝つための技術」がある 以上が私が長いキャリアのなかでたくさん見てきた「失敗する投資家」の特徴です。 この5つに気をつけるだけでも、投資で成功できる可能性はグッとあがるはずです。 また、投資にはテクニカルやファンダメンタルズといった勝つための知識や技術があります。 これらを勉強し、身につけることができれば、皆さんもしっかり資産を増やすことができるようになるでしょう。
窪田真之