くら寿司、万博店舗に自社最長135メートルの回転レーン 70～80カ国・地域のグルメ提供
回転ずしチェーン大手のくら寿司は12日、2025年大阪・関西万博に出店する店舗「大阪・関西万博店」（仮称）で、自社最長となる約135メートルの回転レーンに世界各国・地域を象徴する料理や、市場に出回る量が少ない「低利用魚」を流す計画を発表した。 【写真】くら寿司が大阪・関西万博で出す店舗の外観イメージ。外壁に廃棄予定の貝殻が使われる 外壁には、廃棄予定の赤貝の殻約33万6千枚などを素材にした漆喰を使い、万博開催の意義として位置づけられているSDGs（持続可能な開発目標）を表現する。一方、「スシロー」を展開する同業最大手のフード＆ライフカンパニーズも万博店舗で養殖魚のすしを提供する計画を打ち出しており、2大回転ずしの〝ガチンコ勝負〟も注目されそうだ。 くら寿司は定番の握りずしなどもそろえつつ、万博参加国の中からスイス、アンゴラ、タイなど70～80カ国・地域の代表的な日常食をサイドメニューとして流す。大阪市内で会見した同社の岡本浩之取締役は「実際に海外へ行ってみたくなるメニューの開発を進めている」と述べた。 ニザダイ、シイラ、ボラなど低利用魚のほか、AI（人工知能）で給餌の量やタイミングを最適化した養殖魚などを使ったメニューも販売。気候変動や乱獲などで枯渇が懸念される水産資源の持続的な活用の在り方を発信する。 「大阪・関西万博店」（仮称）は高さ約7メートル、幅約40メートル、奥行き約20メートルで面積は約800平方メートル。338席と席数は自社最多。赤貝の殻や海藻を生かした、人工物を全く使わない漆喰を塗った白壁に、衛生管理の要とするすしカバーに入ったマグロを描いた外観デザインとする。 レーンに流れるすしから自ら選んで楽しむ回転ずしは日本では当たり前に普及しているが、岡本取締役は「海外ではまだ知らない人も多く、世界へ広がるきっかけになれば」と話した。（田村慶子）
