老若男女 駒込 生ナマズ <早口言葉DE脳トレ>認知症予防や腹筋&背筋力アップに
会話の途中でよく“かむ”ようになったと実感しているあなた!原因は、口や舌の筋肉や脳の衰え。放っておくと認知症を誘発・促進させる可能性もあるという。そこでおすすめなのが早口言葉。編集部で試し、記者がかみまくった例題をお届けします。 【画像】熟語&カタカナ 言いにくい言葉40選 一覧を見てみる
教えてくれた人
篠原菊紀さん/脳科学者 公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授。専門は応用健康科学、脳科学。子供から高齢者まで幅広い年齢を対象とした脳トレ、勉強法などをメディアで解説。最新著書に『楽しみながら脳を活性化!大人の記憶力ドリル180日』(イースト・プレス)。
何事も“早くやる”と脳が活性化する
「家事でも計算でも仕事でも、“自分のペースでこなす”のではなく“できるだけ早くやる”などの課題を設けて挑戦した方が、脳の前頭前野が活性化します」 とは、脳科学者の篠原菊紀さんだ(「」内・以下同)。前頭前野とは、行動や感情、記憶をコントロールしたり、アイディアや意欲を生んだりする部位。この前頭前野の機能は加齢により少しずつ衰え、記憶力や意欲の低下を招くが、何才からでも鍛えられるという。トレーニングのひとつとしておすすめなのが、早口言葉だ。 「最近の研究では、口腔内の健康が認知機能に深いかかわりがあることもわかってきました。ただなんとなく早口言葉を言うだけでなく、大きく口を動かしながら発声すれば、舌や喉などの筋肉強化にも効果的です。長く続けることで、認知機能の向上も期待できるでしょう」
慣れないよう、新しい課題を常に付加する
いつでもどこでもできるのが早口言葉のメリットのひとつだが、可能であれば、立って行った方がさらに効果が上がるという。 「背筋を伸ばして立ち、大きな声ではっきり発声すると、腹筋や背筋、お尻の筋肉のトレーニングと同じような効果が期待できます。継続的な運動は認知機能の改善にも役立つとされているため、脳機能、身体機能どちらにおいても好影響を与えるといえます」 じつは脳トレは筋トレよりも早く成果が出るといわれている。1週間もすれば、言葉が以前よりスムーズに出るようになった、などの変化が実感できることもあるという。数分でもいいので毎日続けるのが好ましいが、同じ早口言葉ばかり練習し、慣れてしまうと、脳の活性化に役立たなくなってしまうと篠原さん。 「慣れてきたと感じたら、“もっと難しい例文や長文を試してみよう”“あごを大きく動かす動きを加えてみよう”など、新しい課題をつけ足していくのがおすすめです」 初めはゆっくりでもいいので、口を大きく開け、お腹からしっかりと声を出すことを意識し、徐々にスピードを上げていこう。