社会問題解決とビジネスの両立を図る「インパクトスタートアップ」 都内でイベント
衆議院議員の木原誠二氏は「政府がなんでも社会課題を解決できるわけではないため、インパクトスタートアップをサポートしていくことが重要だ」と語る。
高齢者の生活支援に農業用バイオ炭……10社がプレゼン
インパクトスタートアップ10社によるプレゼンテーションも行われた。スタートアップ10社が持ち時間4分で審査員と観客に向かってピッチを繰り広げた。 3つの審査員賞を受賞した株式会社TOWINGは、微生物を培養した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を農業に活用するインパクトスタートアップ。宙炭を活用して収穫量が70%向上した農家もあると語る。
メイン賞に相当する「インパクトスタートアップピッチ賞」を受賞したのは、高齢者がポジティブに歳を重ねることを支援する株式会社AgeWellJapanだ。同社のスタッフがスマートフォンの操作を教えたり、行政サービスの活用を支援したりすることで、高齢者の生活をサポートしている。AgeWellJapan代表の赤木円香氏は受賞に際して「社会課題を解決しながら持続可能なビジネスをすることの難しさを創業してからずっと感じていた。高齢者が『人生はまだまだこれからだ』と思える社会をつくっていきたい」と語った。
ほかにもサミットでは、地方創生や人材育成、グローバル化など、様々な面からインパクトスタートアップについて語られた。本イベントのテーマは「トレンドから王道へ」。登壇者の多くが「インパクトは既に王道である」という趣旨の発言をしている。インパクトが創出できないビジネスは注目が集まらずに採用面で苦労したり、投資が集められないという時代に突入しているという。とはいえ「インパクトスタートアップ」の普及はまだまだこれからで、今後の展開が注目される。