首位突破を占うイラク戦、先発が有力視される上田綺世に期待。2列目と良い距離感を保ち、敵のギャップを突く動きが必要だ【アジア杯】
ヒメネスのような存在になるべき
次戦のトップ下が絶好調の南野拓実(モナコ)なのか、久保なのか判断が分かれるところだし、両サイドに関してもメンバーの入れ替えがあるかは未知数だ。ただ、どういう2列目の構成になっても、上田が最前線に陣取った場合は、彼らと良い距離感を保ちつつ、敵のギャップを突く動きが必要になる。 インドネシアがイラク戦で挙げたゴールシーンを見てみると、右サイドアタッカーが食いついてきたDFをかわし、中に折り返したところに逆サイドの選手が飛び込む形だった。 日本もそれに近い形を出せれば理想的。そのためにも、最前線に入るであろう上田には、敵を揺さぶるような頭脳的な駆け引きや位置取りを期待したいところだ。 「結局、内容どうこうよりも、勝つことがすべて。ベトナムも普段の力以上のものを見せてきましたし、それはどの国にも言えること。アジアカップのような大会は結局、そういう相手に勝てるか、勝てないか。だからこそ、結果にこだわっていくことが大事かなと思います。 今の日本は個の力でねじ伏せられるところが大きな強みになっている。そうやって勝てるのが日本の良さですね」 上田がこう語ったように、サッカーは結局のところ、傑出した個の力次第。フェイエノールトでサンティアゴ・ヒメネスらと出会って、彼はそのことを痛感した様子だ。 それならば、今大会では自分自身がヒメネスのような存在になるべき。アジアで突出した存在感を示し、日本の看板FWと位置づけられるようになれば、所属先に戻ってからの序列アップ、出場機会増にもつながるだろう。 代表での実績は、上田の今後のキャリアを大きく左右する。だからこそ、今大会は毎試合ゴールするくらいの活躍を期待したい。6戦6発の中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)のハイペースを良い刺激にして、上田も他のFWも貪欲に数字を追い求めるべき。タフなイラクをアグレッシブさと勢いで凌駕するような展開に持ち込んでほしいものである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
【関連記事】
- まさかの苦戦。日本代表に何が起きていたのか。選手が次々に口にした“想定外の事態”「正直、予想以上だった」【アジア杯】
- 「個人のレベルが違う」「びっくりした」森保Jのベトナム戦を韓国の熟練記者はどう見たのか。指摘した“弱点”は?「苦戦するかもしれない」【アジア杯】
- 「交代したほうがいい。良さが全く出ない」闘莉王がベトナム戦の伊東純也を最低評価「森保監督にも問題がある」【アジア杯】
- 堂安の採点は5点。「効果的なことはやってない」と評した闘莉王が森保Jの“10番変更”を求む!「早く久保に回すべき」【アジア杯】
- 元Jリーガーを叱責? 韓国代表ソン・フンミン、バーレーンに苦戦&中国人主審の判定に苛立ちを隠せず。「我々は64年間も優勝していない」とも【アジア杯】