原発デブリ、初めて敷地外に搬出 茨城の研究施設で分析開始へ
東京電力は12日、福島第1原発2号機で試験的に取り出した溶融核燃料(デブリ)を原発事故後初めて敷地外に搬出し、日本原子力研究開発機構の大洗原子力工学研究所(茨城県大洗町)に輸送したと発表した。今後1年程度かけて分析を進め、今後のデブリ取り出しの工法検討などに活用する。 輸送されたデブリは、小石状の約5ミリ大で重さは約0.7グラム。東電によると、容器は二重にした上でビニール樹脂製の袋で密閉し、さらに放射線を遮る容器に入れて輸送。機構によると、12日は、デブリの輸送容器を施設の放射線管理区域にある保管場所に移して作業を終えた。13日にデブリを容器から取り出し、14日から分析を始める予定という。 当初数グラムと見込まれていたデブリの採取量が0.7グラムだったことについて、機構の担当者は「今回の量でも今後に必要な情報が得られると考えている」と強調した。 デブリは7日に取り出しが完了。東電が8日に実施した原子炉建屋内での分析の結果、構外への輸送に問題がないと判断していた。