UACJ、富士テクニカ宮津と車パネル材のプレス成形予測技術開発開始
UACJは25日、東洋鋼鈑の子会社で金型メーカーの富士テクニカ宮津(静岡県駿東郡)と共同で、自動車ボディパネル用アルミ板のプレス成形予測技術の共同開発を開始すると発表した。UACJが成形シミュレーション技術の開発、富士テクニカ宮津は成形シミュレーション結果の検証を担当する。UACJは共同開発事業からの技術情報をアルミ板材の開発にフィードバックし、アルミ板材の特性改善にもつなげる考え。 プレス成形予測技術は、自動車メーカーやプレスメーカーでアルミ板材をプレス成形する際に使用される金型の設計に生かされるもの。ボンネット、ドア、フェンダーなどに使用される自動車ボディパネル材をプレス成形する際に使用される金型は、プレス成形した際に割れやしわが発生せず、狙った寸法に収まるよう作る必要がある。しかしアルミ板材のプレス成形予測技術は、プレス成形中に板材がどのように硬くなっていくか、金型表面を板材がどのように滑っていくかなどを成形シミュレーション上で正しく表現するための手法が開発段階にあるため、技術のさらなる発展が課題だった。 UACJと富士テクニカ宮津は約25年前から継続検討してきた未解決課題に共同で取り組むことを決めた。予測技術の実現によりアルミ板材用金型の設計期間短縮、特に金型設計時の試作回数の低減が可能になるほか、金型製作工程におけるエネルギー使用量を削減できる。さらにアルミ板材の提供拡大による自動車の軽量化への貢献が期待でき、温室効果ガス(GHG)排出量の低減につながると期待されている。