北九州発の「資さんうどん」が関東に上陸、「全国進出」で何を狙う?
すかいらーくは何を狙う?
八千代店のスタートを皮切りに「『北九州の資さん』から『日本全国の資さん』を目指す」と意気込みを見せる崎田会長。全国展開を目指すにあたり、すかいらーくHDは資さんうどんをどのように位置付けているのか。 ガスト・バーミヤン・ジョナサン・しゃぶ葉など20を超えるブランドを抱えるすかいらーくHDだが「ファミリーで日常使いできる、客単価1000円未満のブランドは少ない」と崎田会長は話す。実際に同社が「低単価」として位置付けているのは、20以上のブランドのうち、八郎そば・から好し・とんから亭の3ブランドにとどまる。 「さまざまなコストが上がっていく中で、どうしても低価格帯のブランドが少なくなってきた。資さんでは、1000円未満の価格帯でしっかりとニーズをつかみ、店舗を拡大していきたい」(崎田氏)。グループの規模を生かし、食材の調達・加工・輸送を自社完結させることで、低価格帯を維持していくという。
「味は変えてはならない」
ローカルチェーンとして親しまれてきた資さんうどんだが、大規模グループの下でどのように変化していくのか。 崎田氏は「店舗を広げていくので『変わるもの』もあると思うが、『変えないもの』もある。特に48年間愛されてきた旗艦商品の味は、変えてはならないと思っている」と話す。水質の違いなども踏まえてレシピは調整し、賃料などの違いから価格は上げているものの、基本的には「北九州の味」をそのまま提供したい考えだ。 関東に進出するにあたって、資さんうどんは東京・神田にポップアップレストランをオープン(7月13~15日)。用意した「1日400食」が完売したことを受け、大井裕之COOも「味に関してはそのままで勝負していきたい」と意気込む。
八千代店はどんな店舗に?
今回オープンする八千代店は国道沿いのロードサイド型店舗で、2025年2月22日に関東2号店としてオープンを予定する両国店(東京都墨田区)も駐車場が充実している。“お膝元”の北九州ではロードサイド型の店舗が多いので、関東でも同じ形で軌道に乗るかどうかを試す狙いもあるようだ。 お客の声を受けてメニュー開発を行ってきた流れも引き継ぎ、八千代店では新しい挑戦にも取り組む。「従来のメニューではボリューム的に物足りない」という声を受け、「資さん満腹セット」(1110円~)を新たにメニューに追加する。 資さん満腹セットは、小さめのうどん・小さめの丼もの・甘味の3点がセットになった人気メニュー「資さんしあわせセット」(八千代店での価格は1030円~)のうち、うどんか丼ものを通常サイズで提供する新メニュー。全国の資さんうどんで、こうした試みは初めてだ。八千代店での売れ行きを見て、他店舗での販売も検討していくという。大井COOは「目指すのはうどんを中心とした大衆食堂。週に何度でも使っていただける店舗を目指す」と意気込みを見せた。 資さんうどん八千代店は客席数130席を備え、年中無休・24時間営業を実施。駐車場は65台を確保している。
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