ベテラン29歳、年齢は「非公開にしてほしい(笑)」 誰もが幸福に誘われる大庭雅のスケート愛【全日本フィギュア】
全日本フィギュアに13回目の出場
今月開催されたフィギュアスケートの全日本選手権(大阪・東和薬品RACTABドーム)。女子シングルで4年連続13回目の出場となったのが大庭雅(東海東京FH)だ。この競技ではベテランの29歳となっても、情熱は未だ消える気配がない。全日本選手権を大きなモチベーションとしており「一度見たら絶対、また来たい場所だと思うんです」とその魅力を語った。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉) 【画像】「めっちゃ可愛い」と大注目の衣装も…全日本フィギュア女子シングルのフォトギャラリー(全36枚) ◇ ◇ ◇ 22日の女子フリー。ブルーグリーンを基調とした新しい衣装で、今年も大庭が年末の大舞台を舞った。 「全日本でこの衣装を着たかったんですけど、ショートでどうなるか(フリーに進めるか)分からなかったので、公式練習から着ていました」 煌びやかな装飾がいくつもついたこだわりの一着。公式練習でショートプログラム(SP)の曲かけなのにフリー用のこの衣装をまとっていたのは、お披露目の機会があるか分からないからだった。出番を終え、お茶目に告白した表情は充実感にあふれていた。 これが13度目の全日本。「Aesthetic」を演じたフリーではジャンプにミスはあったものの、熟練のスケーティング技術はさすがだった。会場の誰より楽しそうなのが、リンクを滑走する本人。スパイラルも弾ける笑顔でこなし、大阪の観衆、画面の前のファンを幸福に誘った。 「1本(ジャンプを)失敗しちゃったのは悔しいですけど、凄く楽しい、全日本を感じられる試合でした。ショートを通過することが一番の目標だったので、後は楽しむだけという気持ちで気負わずに楽しく演技できたかなと思います。 せっかくの夢の舞台でガチガチに『頑張らなきゃ』って出るのはもったいない。いつもそれで失敗してしまうし、プレッシャーを自分にかけて上手くいかなかったので。この舞台に自分が立っているんだから楽しくスケートしないともったいないという気持ちで行けました」