見えた!初氷山 「神秘的」南極観測隊員、感慨深げ
【南大洋=鶴岡支社・近岡国史】第66次南極地域観測隊(原田尚美隊長)を乗せ、昭和基地を目指して航海中の南極観測船「しらせ」で15日、初氷山が確認された。オーストラリア西部・フリマントルの出航から7日目。気温は氷点下近くに下がり、氷の大陸の存在を感じるようになった。 氷山のサイズは高さ約40メートル、幅約260メートルとみられる。南緯59度付近で見つかり、現地時間の午前11時53分(日本時間午後1時53分)に正式に初視認となった。多くの隊員が甲板に集まり、写真撮影していた。越冬隊の臼田拓人さん(27)=気象庁、岐阜県高山市出身=は「氷山は神秘的で思った以上に大きかった。少しずつ南極に近づいているのを感じる」と感慨深げだった。 南緯40~60度は暴風圏といわれる。今年は天候に恵まれ、船が大きく傾くことはなかった。40~60度の5度刻みで船を停止させて行う海洋観測は、この日で往路の活動を無事に終えた。出航直後は船酔いでダウンする隊員もいたが、徐々に慣れていった。記者は酔い止め薬を服用し、当初よりは楽になった。
船内では連日、昭和基地での注意点やヘリコプターに乗る際の安全対策などの講義が行われ、準備を整えている。観測隊の第1便は今月28日ごろ、昭和基地に到着する予定。