バンコク旅行で訪れたい、本格タイ料理の人気レストラン5選【2024年最新版】
アートや建築以上に、バンコクがいま世界から注目を集めているのが食文化だ。「アジアのベストレストラン50」の上位を独占するなど、独創的なファインダイニングが急増している背景にあるのは、多様な食文化が融合した地域性と“タイらしさ”の追究だ。「世界的に評価される、バンコクのファインダイニング。最注目の3店はここだ!」に続き、本記事では、古典タイ料理やインターナショナルな料理を供する人気レストラン5軒をまとめて紹介する。 【写真多数】記事のレストランの写真をすべて見る
「アハーン」ーー調理法から味覚や地域まで、料理に宿るタイの伝統と革新
タイのレストランシーンを長らく牽引してきた「アハーン」。タイ各地の旬で新鮮な食材のみを使って生み出される伝統的タイ料理は、まさにこの国の料理の神髄を知るにふさわしい。シェフのチュムポン・チェーンプライは、タイ人で初のミシュラン2つ星を獲得した人物だ。 「コンセプトは『タイの知恵』です。タイ料理には、4つの調理法と8つの味覚、『乾いた料理(ヘン)』『水っぽい料理(ナム)』という区分があります。加えて、3つの季節や5つの地域によって採れる食材も違います。これらをうまく組み合わせ、伝統を守ることが、この店の使命ですね」 ただ、伝統だけにとらわれず、調理法や素材など時代ごとに移り変わるイノベイティブな要素を、料理に加えるのがシェフのこだわり。 「伝統と革新。両要素を50%ずつ融合させることで、外国から来た旅行者はもちろん、タイ料理を食べ慣れた人々にも、常に斬新で驚きある味を提供できるように心がけています」
「ジラカーン・レストラン」ーー小説や歴史書から読み解いた、1000年前の“原点”を味わう
世界各地からの人の往来に伴い、近年変化を遂げるタイの食文化。これに対して、小説や歴史書をひも解いて、過去のタイ料理の原点に立ち返ろうと試みるのが「ジラカーン・レストラン」だ。同店では、1200年前から100年前までに食べられていたタイ料理を、現代の味覚にアレンジして提供。オーナーのトリプラダップ‘プイ’ワンウォンウィワットはその意義をこう語る。 「タイ料理は、統治者や外国などの影響を受け、時代ごとに変化しています。各料理にまつわる背景や歴史を知ることで、タイの料理をもっと楽しんでもらおうと、この店を始めました」 たとえば、タイでスタンダードな料理のひとつである揚げ春巻きは、中国の影響を強く受けていたラーマ4世の時代に誕生したといわれる。この頃からタイ料理に油が使われるようになり、揚げ物料理が一般的になったとの逸話もある。数々の料理を、背景にあるストーリーとともに味わいつつ、タイの食文化を遡ってみては。