米10年債利回りは再び5%も、トランプ氏公約実現なら-JPモルガン
(ブルームバーグ): ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利後の米国債市場の混乱を受け、JPモルガン・アセット・マネジメントの債券部門の責任者は、債券利回りが株式相場の記録的な上げを脅かす水準へと再び上昇する可能性があると警告している。
トランプ氏の勝利直後に債券価格は急落。減税や輸入品への関税賦課によって同氏はインフレを再燃させるのではとの見方が強まった。
JPモルガン・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)兼グローバル債券部門のトップであるボブ・ミシェル氏によると、10年債利回りは一時4.48%まで上昇し、いったんは後退したが、トランプ氏が掲げる政策が導入されれば、利回りは5%まで上昇する可能性がある。また、アムンディのビンセント・モルティエCIOは、利回り5%は株から債券への資金シフトを引き起こし得る重要な節目だと指摘した。
ミシェル氏は7日のイベントで、「5%は、数年前なら市場が吸収するのに極めて難しい水準だった」と述べた。
トランプ氏が1月後半に大統領に就任するまでの短期的な見通しでは、投資家が債券に押し目買いを入れ、10年債利回りは4%程度で落ち着くと、ミシェル氏はみている。しかし新政権が発足し、「適切な提案」が示されれば、債券売りが再燃する可能性があるという。
これまでのところ、債券相場のボラティリティーは株式に悪影響を及ぼすには至っておらず、株価は過去最高値を更新する勢いで上昇している。トランプ氏の勝利を受けて、法人税減税や規制緩和の波が起こるのではないかという楽観的な見方が株価を押し上げ、S&P500種株価指数は週間ベースで年初来で最高の上げとなる見通しだ。
原題:JPMorgan’s Michele Says 5% Yields Would Be ‘Difficult’ to Absorb(抜粋)
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Katie Greifeld