「いつでもLAで収録」椎名林檎、GLAY…をプロデュースする亀田誠治が驚く、次世代デバイスと音楽制作の可能性
ライブパフォーマンスでやってみたいことは?
渡邊 ライブの演出などでは、どんなことが変わる思われますか? 亀田 私のやっている日比谷音楽祭でも生配信をやっているのですが、リアルなライブと配信のハイブリッドのような、そんな楽しみ方ができそうですよね。それにステージ上で提供する選択肢も無限大に広がるし、受け取り方も無限大になる。 渡邊 舞台演出って結構コストがかかるんじゃないですか? 空間コンピューティングで補える部分も結構あるかと思うのですが。 亀田 そうですね。やはり力強い表現をしていくには、コストがかかります。大規模なスタジオ照明装置や、大規模なコントローラーが必要だとか。アイデアが必要ですが、ローコストで感動体験の可能性が広げられるということには、ものすごく意味があると思います。 渡邊 具体的にやってみたい演出とか、何かパッと思い浮かぶものありますか? 亀田 うーん、なんでしょうね。あっ! 実は私、あらゆるダンスの先生がお手上げ状態になるくらい、ダンスがダメなんですよ。なので自分のダンスの完成形をぜひ動かして欲しいですね。 渡邊 亀田さんを撮影して、思った通りに動かすことは可能ですよ! ぜひやりましょう。 亀田 ミュージックビデオを撮影していて、自分のせいでNGが続いてしまうとすごく申し訳ない気持ちになる。そういう不安から解放されるのは嬉しいですし、技術が人の生活を楽にしてくれる、不安から解放してくれる瞬間って、私は好きなんですよね。 渡邊 「人の不安を減らせる」、まさしくそういうために広がって欲しい技術ですよね。今まで物理的にできなかったことが、空間で表現できるようになる。無理してやっていたことをやらなくてもよくなる。自分の活動の背中を押してくれて、気持ちが今よりも楽に日々過ごせるようになれば私も嬉しいです。今後軽量化、小型化もどんどんされていくと思います。 亀田 不具合やバグに寛容にならないとですよね。昔コンピュータでクリックという音をカチカチ鳴らす設定をいれるだけで、4時間かかったことありますから(笑)