なんでラグビー日本代表には外国人がいるの?
オリンピック選手や、サッカー日本代表選手には、外国人選手がいない、または帰化して出場しているのに、ラグビー日本代表選手に多くの外国人選手がいることを不思議に思ったことはないでしょうか? ラグビーの場合、国際ルールにおいて、外国人選手の出場が認められているため、日本国籍を持たない選手でも日本代表になることができます。その条件は以下になります。 ・出生地が日本 ・両親、祖父母のうち一人が日本出身 ・日本で3年以上、継続して居住している このいずれかの条件をクリアして、また他国の代表選手になっていない場合、代表チームを目指すことができます。ラグビーの場合、国籍よりも、所属しているチーム、そして、そのチームがある国(協会)を優先しています。 これは日本に限った話ではありません。ラグビーは、協会単位で代表チームが作られるため、英国圏ではイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4つのチームがあります(これはサッカーもほぼ同様です)。アイルランドに至っては、イギリス領北アイルランドとアイルランドが1つのチームとして国境を越えて、国際大会に出場します。このように別々の国の選手が国境を超えて、1つのチームになっていることを考えれば、国籍の違う選手が同じ色のジャージーを着ることに、違和感は生まれません。 英国圏だけでなく、多く国が陸続きの欧州では、人の移動がそれほど困難でないため、「両親、祖父母のうち一人の出身地」によって、”代表チームの選択”のハードルは高くありません。過去には兄弟で別々の代表チームに所属して、ワールドカップに出場した例もありました。現在は、ルール変更によって認められなくなりましたが、「デュアルインターナショナル」と言って、2つの協会の代表チームに選ばれることが名誉だった時代もありました。 南太平洋の島々(サモア、トンガ、フィジーなど)の選手も、世界最高峰の代表チーム、オールブラックス(ニュージーランド代表)を目指して、移民している例もあります。現在、キヤノン・イーグルスでプレーしているアイザイア・トエアバもサモア出身ですが、オールブラックスの一員として、ワールドカップに出場しています。 日本人選手でも、ラグビー大国の代表に近づいたこともあります。日本代表のWTBとして活躍した坂田好弘選手はニュージーランド学生代表として、プレーしたこともありました。現在の日本代表、小野晃征選手は幼少期にニュージーランドに移住し、現地でプレー。U-19ニュージーランド候補にも選ばれています。 このように、ラグビーの文化背景として、国籍にかかわらず、それぞれの所属するチーム、その協会での代表選手を目指すことが認められています。国籍の異なる選手が、その国の代表選手としてプレーすることも、ラグビーの魅力かもしれません。