川重社長、燃費データ不正を陳謝 利益優先、組織風土が背景
川崎重工業は27日、船舶用エンジンの検査で燃費データを書き換えた不正に関する中間報告を国土交通省に提出。不正の背景に関し、それを言い出せない組織風土や、品質より納期や利益を優先する意識などを挙げた。橋本康彦社長は不正発覚後、初めて記者会見し「皆さまにご心配、ご迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」と陳謝した。 川重は、海上自衛隊の潜水艦修理契約に絡み裏金を捻出した問題でも調査を継続。27日には防衛事業の企業統治体制の強化に向け、社長直轄の「防衛事業管理本部」を11月1日に新設すると表明。調査結果は12月をめどに公表する方針。 エンジン不正で中間報告を受けた国交省は、川重に抜本的な再発防止策の策定を指示した。いったん中断している窒素酸化物(NOX)排出量の順守を示す証書の交付は、国の立ち会いの下で厳格に試験を行った上で再開する方針。 中間報告によると、データ改ざんを確認したのは673台で、8月公表の内容と変わっていない。再発防止のため、改ざんを防ぐ検査設備の導入や、組織風土の徹底的な見直しを進めるとした。