史上4チーム目の3連覇懸かる王者Honda、富士通、トヨタ自動車の「3強」旭化成、黒崎播磨、三菱重工、GMOらが追随/ニューイヤー駅伝
第68回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は2024年1月1日、群馬県前橋市の群馬県庁前をスタート、県内を反時計回りに1周して再び県庁前にフィニッシュする7区間100.0kmのコースで行われる。 2024年最初の駅伝日本一をつかむのは?ニューイヤー駅伝のエントリーをチェック! 各地域予選会を通過した37チームと、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC/10月15日)に出場した選手がいるチームは予選会を完走すれば出場権が与えられるMGC特例措置が適用された4チームの、計41チームが新春の上州路を駆け抜ける。最多出場は旭化成とKaoで61回目、東日本地区を突破した富士山の銘水が唯一初出場となる。 今大会は、総距離と区間数は変わらないが、前半の区間距離と中継所の見直しを中心に大幅変更が行われた。 これまでエースが激闘を繰り広げてきたのは伊勢崎市役所から太田市役所までの4区(22.4km)だったが、外国人ランナーが走るインターナショナル区間だった2区(8.3km)と3区(13.6km)を統合した21.9kmの新2区が、新たな「エース区間」となる。従来の4区は2分割され、15.4kmの3区、7.8kmのインターナショナル区間・4区に。また、3区途中にある東武伊勢崎線の踏切を迂回するため延びた距離分は、6区(11.9kmから11.2km)、7区(15.7kmから15.6km)で調整された。 そのため、レースの流れやポイントがこれまでと大きく変わる可能性が高く、特に2区、3区に主力を投じることになるだろう。前半から日本トップランナーたちが激闘を繰り広げそうだ。 文字通り新たなスタートを切るニューイヤー駅伝。その優勝争いの中心となるのは、2連覇中のHonda、前回2位、3位の富士通、トヨタ自動車の「3強」となりそうだ。その中でも中心となるのは、やはり王者・Hondaだろう。 MGC優勝でパリ五輪代表に内定した小山直城、8月のオレゴン世界選手権3000mファイナリストの青木涼真ら、2連覇メンバーをはじめ選手層は分厚い。左股関節を痛めた影響で12月10日の日本選手権10000mでは16位にとどまった伊藤達彦が復調するようなら、いよいよ3連覇に向けて充実の布陣が整うことになる。旭化成、ヱスビー食品、コニカ(現・コニカミノルタ)の3チームしか達成していない偉業達成なるか。 富士通、トヨタ自動車も戦力面では負けていない。 富士通は、日本選手権10000mを27分09秒80の日本新記録で制した塩尻和也が大エースとして牽引。11月の東日本実業団駅伝でHondaを抑えて4連覇を飾っている。 東京五輪5000m代表の坂東悠汰と松枝博輝、勝負強い横手健や浦野雄平らエースの脇を固めるメンバーも実力者ぞろい。MGC途中棄権のマラソン日本記録保持者・鈴木健吾は登録されなかったが、東京五輪マラソン代表の中村匠吾がメンバー入りすれば、長距離区間の安定感が一気に増す。 富士通以上の勢いを持つのがトヨタ自動車。駒大卒のスーパールーキー・田澤廉の加入で、オーダーの幅がさらに広がる。 日本選手権10000mで従来の日本記録(27分18秒75)を上回る27分12秒53をマークして2位を占めた太田智樹がおそらく2区に入り、田澤がよりスピードを生かせる3区か。向かい風が強くなって耐久力が求められる後半区間にもマラソンで東京五輪代表の服部勇馬、22年オレゴン世界陸上13位の西山雄介らが控えるのは、ライバルたちの脅威となるだろう。ブダペスト世界陸上マラソン代表の西山和弥はエントリーから外れている。