仮想通貨トレーダー、イーサの最高値更新見込む-ETF巡る期待で
(ブルームバーグ): 世界2位の暗号資産(仮想通貨)イーサの一段高観測が強まっている。米証券取引委員会(SEC)がイーサに直接投資する上場投資信託(ETF)の将来的な取引開始に道を開いたことがきっかけだ。ただ、そうしたETFの需要の強さを巡っては疑問も渦巻いている。
SECは23日、CBOEグローバル・マーケッツやナスダック、ニューヨーク証券取引所(NYSE)が運営する取引所がイーサ関連の金融商品を上場させる計画を承認した。これを受け、26日までの7日間でイーサは26%上昇。ブルームバーグ集計のデータによれば、週間ベースで2021年の暗号資産の強気相場以降で最大の値上がりとなった。
イーサ現物ETF、SECが承認に道開く-暗号資産業界の節目に
投機家は米上場の現物投資型ビットコインETFが1月に記録的なデビューを果たし、590億ドル(約9兆2500億円)の資産を集めたことに元気づけられている。しかし、イーサはビットコインよりも知名度が低いため、投資家の意欲を分析するのはより難しい。
ブラックロックやフィデリティ・インベストメンツなどの発行会社が商品を投入できるようになるには、さらなるSECの承認が必要であり、そのスケジュールは不透明だ。イーサはシンガポール時間28日午前7時43分(日本時間同8時43分)時点でほぼ変わらずの3890ドル。
ペッパーストーン・グループの調査責任者クリス・ウェストン氏は「イーサのリスクは依然として上向きで、反落したら買いのチャンスだ」と指摘した。
以下のチャートで、今年に入り約70%上昇しているイーサのシナリオをまとめた。
5000ドルに期待
取引プラットフォーム、デリビットのデータによると、一部のトレーダーはイーサが5000ドルもしくはそれ以上に上昇すると予想。その価格帯に強気のオプション取引が最も集中していることが示されている。現在のイーサの現物取引での最高値は21年11月に付けた4866ドル。