世界初!廃棄物から洗剤成分“セスキ”を合成 成功したのは高校生 地域のゴミ問題解決の研究が世界から高評価
国内だけでなく世界から注目される
廃棄物からセスキの合成に成功したという研究結果は、国立研究開発法人科学技術振興機構が、科学技術を使って社会課題を解決する日本発の優れた取り組みを表彰する「STI for SDGsアワード」で、2022年に全国1位にあたる最優秀次世代賞を受賞した。 世界40カ国から200チームが参加し、チュニジアで行われた国際工学科学技術フェスティバル「I‐FEST2」でも、日本代表として2年連続出場し、オンライン参加だった2023年は、準グランプリにあたる金メダルを、2024年3月の大会では、現地発表し銅メダルを獲得した。 I‐FEST2で発表した科学部の3年生である宗﨑海斗さんは、「今まで僕ら2人だけではなくて、班員みんなで先輩方も研究を重ねてきて、その成果が銅メダルにつながったと思います」と話し、同じく、I‐FEST2で発表した玉井さんは、「高校生が、地域の課題を発見して解決していく姿勢が、一番評価されたポイントと思っています」と話した。 部員はさらに、2024年から次の目標として「一般廃棄物からセスキを合成する方法」の研究に取り組んでいる。
次の挑戦へ 世界で活用できる研究に
暮らしの中で排出され焼却場で処分される生活ゴミについて、西条高校科学部は今、灰に含まれる“ある成分”に注目している。 不純物を多く含むゴミの焼却灰から抽出した「副生塩」から、さらに「食塩」を抽出し、これでセスキを合成する挑戦だ。 生徒たちは、顧問の大屋教諭と研究に取り組んでいる。 リーダーの石川さんは、市内のゴミからセスキを作ることについて「“とても画期的なこと”だと思っています。私たちの活動を通して、世界中にゴミからセスキを作る研究が広まったらいいなと思います」と話した。 顧問の大屋教諭は、「この方法が汎用的になれば全国、そして世界で活用できる研究になると考えています。部員たちが将来日本のイノベーションを担うようなサイエンスリーダーとしてこれから頑張ってくれると思いますし、地域の事を好きになって西条市から出たとしてもまた帰ってきて、西条市を支えてくれる人材になってほしいと願っています」と生徒たちの未来の活躍に期待を寄せていた。 西条高校科学部は、“地域の課題”解決を目指し、日々研究に取り組んでいる。 試行錯誤を繰り返しながら進むその一歩が、未来のサイエンスリーダー誕生につながっている。 (テレビ愛媛)
テレビ愛媛