年間約3000トンのごみが流れつく海岸 拾ってもすぐ流れつく現実 解決の鍵は周辺県が連携した発生抑制
長野県から参加した子ども: 「ごみが多すぎてどこから手を付けたら良いのかわからなかったけど、とりあえず拾うしかないので。それにしても酷いですね」
漁をする際に網に取り付けておくウキのごみ。大きな漁具も漂着しています。 参加したボランティアの男性: 「どこの漁師さんが出したごみかは分かりませんが、海を使った仕事をしている以上は汚すのはどうかと思いますよね」
どこから流れてきたか分からない「来客車」と書かれた謎の看板も。
まだ使えるというマーカーまで。いったいどこから流れてきたのでしょうか。 参加したボランティアの女性: 「どこから流れてきたのかわからないごみが、海に流されて姿や形を変えてここにたどり着いた。それは悲しいことだけど、もしこの浜にもたどり着かなかったらと思うと、ここで拾えて良かったのかな」 この1時間で拾われたごみの総量は約750キロでした。
ごみはなぜ鳥羽市に流れつくのか? 漂着ごみ問題の原因と現状
答志島になぜ大量のごみが流れつき続けるのか。伊勢湾の漂着ごみ問題を研究する四日市大学環境情報学部の千葉賢教授に話を聞きました。 ―――答志島の奈佐の浜に大量のごみが流れつく原因はなんですか 「伊勢湾に入るごみは伊勢湾の奥部、木曽三川から流れてきます。(木曽三川の)流域面積が非常に広いので、そこから流れ込む流木とか、人口も多いですから、川に入ってくる人工ごみもあります。それ以外に三重県の河川から出てくるごみもあります。答志島はこれらの河川の出口に1番近い場所にあるので、木曽三川から入ったごみも三重県から出たごみも答志島に集まる傾向があります」
さらに、ごみが流れ着く原因には地球の自転の影響もあるといいます。地球が時計回りに回転し、ごみが三重県沿岸に沿って太平洋の方向に流れて下ります。そのため、この流れの下流に位置している答志島にごみは漂着しやすく、特に奈佐の浜は北西側に開いた形になっているので、ごみを受け止めやすくなります。 北西風の吹く10月以降は特に漂着しやすくなるそうです。