注文者との本気バトルも! ウーバーイーツの配達中や配達先で起こるトラブル【チャリンコ爆走配達日誌】
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第34回 ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります! * * * どんな仕事でも絶対発生するのがトラブル。6500回以上配達している私にも過去何回かトラブルがありましたが、今回は注文者や店と揉めた話を書こうと思います。 以前、よく揉めていたのは「箸やスプーンが入っていない」というトラブル。現在の仕様がどのような感じなのかわかりませんが、ある時期から注文者用のアプリに「箸やスプーンをつける、つけない」を選択できる機能が実装されました。 おそらくSDGsへの取り組みなのでしょう。「テイクアウト用容器の消費拡大につながる商売をしているのに、割り箸やプラスチック製のスプーンの消費量を減らす取り組みをしても......」なんて個人的に感じていたのですが、それはさておき、この機能が実装された際、初期設定の状態は「箸やスプーンをつけない」となっていました。そのため、今までウーバーイーツを利用していた人がアプリのアップデート後にこれまでと同じ感覚で注文すると、箸やスプーンなしで届けられることになり、トラブルが多発しました。 特にオフィスへの注文が多いお昼休みの配達でのトラブルが多く、私も配達が終わって自転車で次の店へ料理を取りに行こうとしたら、注文者が追いかけてきて「てめえ、このカレー、手で食えって言うのか! スプーン取ってこい!」と怒鳴りつけられたことが何度かありました。 初めて怒鳴られたときは原因がわからず、次の配達もあるので謝ってその場を収めました。ですが、原因がわかってからは事情を説明し、設定を変えていただくようにお願いしています。それでも怒りが収まらない場合は、運営側にクレームを入れて欲しいとお願いしています。にもかかわらず「手で食えって言うのか?」と食い下がってきた方には、こちらも頭に血が上ってカチンときますし、どのみちBAD評価されるのだと思い「そうされたらいいんじゃないですか」と答えたこともあります。 後日、運営側から「配達員から暴言を受けたとお客様より連絡を受けました。状況によってはアカウント停止(=クビ)にします」といった趣旨のメールが届きました。直後に事情を綴って返信。その後もアカウント停止されることはありませんでした。 一方、店の人と揉めたのは、調理時間のトラブル。 某チェーン店へ注文品を受け取りに行ったところ、忙しい時間帯だったようで、まだ料理が出来上がっていないようでした。そこで、店の前で待つことにしました。15分ほど経ってもまだ調理が終わらないので変だなと思ったら、私よりも後に店に来た、店内で食事をする客に料理を出していました。 ドリンクだけを注文した方だったら順番が早くなっても仕方ないことですが、その方が注文したのは私と同じようなセットメニュー。しかも店に入ってから注文をしていました。調理場の方を見ると、私が運ぶ料理を作る気配はなく、次々と店に入ってくる客が注文した料理を作っています。 こういう「BAD評価を受けるのは店ではなく配達員だから、後回しにしてOK」と考える店はごくごくたまにありました(最近は見かけませんが)。そんな店の場合、クレームを入れても無視されることが多いので、注文者に直接電話をする機能を使って状況を説明。そのまま店の責任者に「なんで遅くなっているのか理由を説明してください」と私のスマホを渡して説明させると、15分待っても作り出す気配がなかった料理が5分もかからずに出来上がりました。