難聴の後遺症がある母を助けたくて…中学時代から続けた開発、大学生が考えた聞こえやすいイヤホン、特許庁の実用新案に
長野県の大学3年生が考えた骨伝導イヤホン
長野大(上田市)社会福祉学部3年の北郷友見子(きたごうゆみこ)さん(21)が、耳たぶの裏側に振動部を装着するタイプの骨伝導イヤホンを考案し、特許庁の実用新案に登録された。こもるように聞こえたり雑音が発生したりといった従来品の課題を解決したという。 【写真】耳たぶに着ける骨伝導イヤホンを考案した大学生
中学校の理科クラブで開発を始める
茨城県高萩市出身の北郷さんは、同県日立市で開かれていた理科クラブに中学2年から参加。母親が突発性難聴の後遺症を抱えており、改善につながる物を作りたい―と従来品より聞こえやすい骨伝導イヤホンの開発に中3で取り組み始めた。
耳たぶに装着、ピアスを参考に考案
骨伝導イヤホンは、耳付近の骨を振動させて音を伝える。北郷さんは既製品を参考にラジオの音が聞こえる装置を作り、聞こえやすさや着け心地を試した。従来品は耳の裏側近くの「乳様突起」やこめかみ付近に振動部を当てるのが主流だが、おでこや首などに当てて比較。耳たぶの裏側だと音質が良く、着け心地が良いと分かった。 北郷さんによると、耳たぶの軟骨と乳様突起の両方が振動するため音質が良くなるという。当時持っていたマグネットピアスを参考に、磁石で耳たぶを挟んで装着するイヤホンを考案した。
「障害者や高齢者の暮らしに貢献したい」、目標は商品化
商品化を目指す北郷さんは「外耳や中耳に障害のある人や、高齢の人が聞こえやすくなる。そうした人たちの暮らしに貢献したい」と話している。