初心者向け絶景富士見の縦走デビュー! 三番山頂コンビ「大蔵高丸~ハマイバ」縦走のススメ
二番山頂群の南に南北に並ぶ大蔵高丸とハマイバの2座は標高がそれぞれ1781mと1752mで、富士山に近いハマイバの方が標高が低くなっています。まるで映画館やコンサートホールのスタンド席のようなレイアウトは、大地が作り出した富士山観覧席の妙に驚かされます。もちろん富士山の優美なシルエットが視界一面に広がります。いずれもマイカーでの湯ノ沢峠からのアプローチならハイキングなノリで登頂可能。縦走デビューと富士山の眺望を楽しむ贅沢ルートです。 【写真】長い林道歩きから登頂する大蔵高丸経由の縦走登山を見る(全8枚)
大蔵高丸にパラサイト? 縦走必至の絶景山頂
おそらくですが、いずれの登山ガイド本やWEB上でハマイバへの登山ルート紹介は、湯ノ沢峠から始まっていると思います。もしくは大峠でしょう。比較的公共交通機関でのアプローチがわかりやすい秀麗富嶽十二景の山々の中で、このハマイバは長い林道歩きの「覚悟」を求められる最たる山かと思います。 バス利用でのルートは雁ヶ腹摺山同様、真木小金沢林道終点のハマイバ前バス停から登山口まで1時間半を超える林道の登りが待ち構えております。その上で登山口からの登頂となります。または大菩薩連嶺にある米背負峠周りになります。 その峠には大菩薩嶺同様の上日川峠行きバスで、やまと天目山温泉バス停から大蔵沢大鹿林道を伝って米背負峠までで2時間超えです。この長時間林道歩きの往復は、なかなかに覚悟がいります。必然的に湯ノ沢峠ないしは大峠までマイカーで行き、大蔵高丸経由の縦走による登頂が現実的かと思います。ただし湯ノ沢峠手前の未舗装路は悪路として知られています。
古式ゆかしい山名の由来、春はミツバツツジと絶景コラボ
湯ノ沢峠から大蔵高丸を経由して緩やかなアップダウンを経て山頂へ。縦走と聞くと長い尾根歩きを想像して構えてしまいがちですが、縦走デビューにオススメの理由は、この大蔵高丸~ハマイバ間は距離も短く約30分ほどのコースタイム。しかもルート上では何度か秀麗富士の姿を正面に見ることができます。 山頂は南側富士山眺望側に大きく開けています。山頂に打ち据えられた山名標柱に掘られている漢字の山名は「破魔射場丸」です。これもあってかハマイバはハマイバ丸と記されることもありますが、大月市の名称では丸なしのハマイバです。ここでは大月市ルールに準拠しました。 かつての大月市の集落の人々が破魔矢を射る神事を執り行ったことから破魔射場と呼ばれ、山名となったと言われています。古式ゆかしい山名は、字面といい響といいロマンを感じさせるものがあります。山頂から南側には春にミツバツツジが咲き乱れるという絶好のビューポイントがあります。縦走の掉尾を飾るにふさわしい絶景の山頂です。
ソトラバ編集部