5回2死、左越えソロの山川（右）をタッチで出迎える小久保監督（撮影・西田忠信）

　◆パーソル　クライマックスシリーズ（CS）　パ　ファイナルステージ　第2戦　ソフトバンク7―2日本ハム（17日、みずほペイペイドーム） 　ソフトバンク打線の集中力は素晴らしい。先発のモイネロが先制された直後に山川と近藤のバットで追いつき、しかも勝ち越した。日本ハムに主導権を渡さなかった、この初回の攻撃が大きかった。中でも光ったのが左前打で突破口を切り開いた1番のダウンズだ。 ■これぞ小久保チルドレン…そろって駆け出す【写真】 　9月末にデビューした1軍では出場7試合で26打席。場数は少なくても、日本ハムの加藤貴からは一発を放っている。伊藤を攻略した初戦の川瀬と同様、相手先発投手との相性の良さを買われての起用に応えた。 　積極性があり、球も見極められる。6回は四球で塁を埋め、柳田の押し出し四球を呼び込んだ。一発攻勢の陰に隠れる形ながら、5打席で2安打と2四球の4出塁は申し分のない働きだ。6回の二直をさばいた守備でも一つのアウトを大事に取ろうとする姿が印象的だった。 　小久保監督の采配には「付け入る隙を与えない」との意志を感じる。7回、山川のソロで5点差としても、今宮に送りバントを命じたり、エンドランを仕掛けたりして攻撃の手を緩めなかった。5点差を保ったまま迎えた9回のマウンドにはオスナを送り込んだ。トップの断固たる姿勢はベンチ、そして選手に伝わる。 　レギュラーシーズン1位がアドバンテージを含めて無傷の3連勝で王手をかければ、全てクライマックスシリーズを突破しているという。私は西武での現役時代、広島と戦った1986年の日本シリーズで△●●●から4連勝の逆転で日本一になった経験があるだけに「勝負ごとに100％はない」とずっと思っている。だからこそ、最後の最後まで油断は禁物。小久保監督がこの1年間唱え続けてきた「チャレンジャー」として勝ちきってほしい。（西日本スポーツ評論家） 【#OTTOホークス情報】