日本が世界に誇る日本酒を使った新たなお酒“浄酎”に込めた思い…「酒蔵を残した未来を作りたい」
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、日本の新たな酒造りについて取り上げました。 ◆2020年に誕生した新たなお酒“浄酎” 今年3月、EUで飲料用の瓶の再利用義務化の規制案が大筋で合意。これを受け、再利用が難しいと日本酒の一升瓶が事実上規制の対象に。しかし、その後さまざまな交渉を経て、一升瓶は輸出禁止の規制対象から外れました。 近年、日本酒は世界中に輸出されていますが、その一方で国内の酒蔵は減少しています。そうしたなか、日本酒を新たな酒造りに活かそうとチャレンジしているスタートアップ企業があります。それは「ナオライ株式会社」です。 このナオライで打ち出しているのが、“浄酎(じょうちゅう”という2020年に誕生した新しいお酒で、これは広島各地で醸成された純米酒を独自技術で低温蒸留し、オーク樽で熟成したもので、まるでウイスキーのような味わいになります。そのため、日本酒であれば新鮮であるほど価値が高いものの、浄酎は古いほど価値が高まり、ウイスキーなどと同じく資産価値が生まれます。 先日、ナオライの代表・三宅紘一郎さんは大阪で開催された販売会に参加。すると、そこではお客さんから賛否さまざまな意見が。三宅さんはそうした声の一つひとつを「初めて飲んでいただく方ばかりなので、こうして地道に普及活動していくのが大事」、「店頭販売するのが一番自分のなかでも勉強になる。いろいろな声があるので、現場で体感してそれを蔵に持ち帰りたいと思っている」と真摯に受け止めます。 そして、なぜ浄酎を始めたのか。日本酒の新しい領域を志した理由を聞いてみると、“酒蔵の再生”と即答。「日本酒の酒蔵が次々と潰れていくので、そこを何とかしたいという思いでやっている。地域に酒蔵が点在してほしいとか、100年・200年の歴史を紡ぐ酒蔵を残した未来を作りたい思いが源泉にある。 “酒蔵再生”は普通の方からしたらあまり関心がないところなので、まずは商品で知ってもらい、酒蔵が今ピーク時の4分の1になっていることに興味を持っていただいて、酒蔵をなんとかしようという仲間を増やしていきたい」と素直な思いを語っていました。