巨額損失62億円 カジノ専門家は元通訳・水原一平容疑者の姿を「負け追い」と分析 ”胴元”すでに別の球団関係者にアクセスも?【MBSニュース解説】
ドジャース・大谷翔平選手の口座から日本円で約24億5000万円を不正送金した銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者。ネバダ大学でカジノ経営を学び、アメリカ大手カジノで内部監査職を務めた経験のある、国際カジノ研究所の木曽崇所長が解説する「事件のポイント」。 【画像を見る】ナゼ?水原一平氏の負け割合が「理論値とかけ離れている」カジノ専門家の見立て
典型的なマネーロンダリング行為となる
――水原一平容疑者の事件で良く出てくる言葉「バンプ」、いわゆる「ツケ払い」というものですが、これは違法になりますか? (国際カジノ研究所 木曽崇所長)いや、違法というわけではないですが、合法のスポーツベットでは通常行われない賭けのあり方です。前払いでアカウントにデポジットして、その中から使うというもので、こんな形でどんどん負け額が膨らんでいくのは、あまり見ない状況です。 ――水原容疑者は、大谷翔平選手の口座からお金を勝手に盗んで賭博に使っていたとされますが、実は何度も勝っているんです。勝ったときは本人の口座に入っていたといいます。この口座を分ける行為自体も、違法なんですか。 これも基本的にはあってはならないことで、禁止されている、もしくは発見した場合には「疑わしき取引行為」として、当局に報告義務があったりするようなものです。 これは典型的なマネーロンダリング行為で、自分の名義のお金をぐるぐる回していくことができるので、それはできないように、通常は禁止されています。
誰が招いた?知り合ったのは「チームホテルのポーカー大会」
――水原容疑者の違法賭博業者との最初の接点は何だったか、ということも今回の訴状で明らかになりました。「ポーカー大会があり、そこで胴元とされる人と知り合った」ということですが、木曽さんは「もしかしたら狙われた可能性もある」と指摘します。 当初の報道、エンゼルス時代に胴元と知り合っているんですが、エンゼルスが試合前に使う「チームホテル」と呼ばれるホテルで行われたポーカー大会なんです。これは紹介制で、誰かが胴元の人を引き入れたってことは、要は水原氏より前に、すでに球団関係者にアクセスがあったのが確実です。