親の期待に応えようと無理していることも…学習障害の子どものサポートは特性に合ったものを
「どうして読めないんだろう?」「なんで書けないんだろう?」と、悩んでいる子はたくさんいます。学習障害(LD)とは、発達障害の一つです。読み書 【前編】学習障害は叱っても治らない! 特訓や見守りが逆効果になることも… きや算数といった、学習の特定の分野で困りごとが起こります。 LDの特性による困りごとは、アプローチのしかたで減らすことができます。勉強がうまくいかないのは、その方法が合っていないからです。つまり、自分自身に合った方法がわかれば、その子の学習・生活面の困りごとはずいぶんと減ります。イラスト図解で基礎からわかるLD入門書『学習障害(LD)がわかる本 気づいて、支えるために』より、連載形式で基礎知識や、困りごとに合わせた工夫を紹介します。 今回は、前編に引き続き、家庭でできることについて解説。
学習面のサポートは子どもに合わせて
学習障害(LD)による特性は一人ひとり異なります。そのため、学校での合理的配慮や通級での指導でも担任の先生や特別支援教育コーディネーターなどがその子に合った方法をさぐり、見直しや改善を図るのが一般的です。 家庭で親が子どもの勉強方法を考えたり、便利ツールを選んだりするときも、最初からしっくりこないこともあります。 良かれと思っていろいろやらせたり、道具を買いそろえたりしても子どもには合わないということはあります。子どもの様子を見ながら、特性に合ったものをさぐっていきましょう。 ■子どもの様子を見守って LDのある子ども向けの学習ドリルや勉強方法などがたくさんあります。活用するときは、子どものためになっているのか、子どもの様子を注意深く見守りましょう。 ■適した方法は一人ひとり違う 子どもの勉強方法やサポートのための道具選びについては、専門的な意見を聞いて参考にするのがよいでしょう。 (1)勉強法や支援は学校と共有を 家庭での学習法や宿題を見てあげるときの注意点などを担任の先生に聞いてみよう。先生と親が異なるアドバイスをすると子どもが混乱するため、やり方は統一したほうがよい。 一般的な支援ツール以外に、タブレット端末のキーボード、ヘッドフォンなど、個人で使用したいものがあるときもできるだけ担任の先生と情報共有しよう (2)支援グッズは子どもに合ったものを選ぶ ノートやえんぴつ、タブレット端末やアプリなどを選ぶときは「LD向けだから」と考えるのではなく、子どもの特性に適しているかを考慮しよう。子どもが自分で選んだ もののほうがやる気がでることもある (3)小学校中・高学年になったらプロの手を借りる方法も 小学校低学年のうちは勉強を親が見てあげることも多いが、中・高学年になると勉強が難しくなってきたり、子どもが反抗したりすることもでてくる。親が教えることが難しい場合は、発達障害の学習指導を専門におこなっている民間の塾や放課後等デイサービスなどを利用することも考えてみよう