なぜパリ五輪合宿メンバーに“アフロの超大型高校生DF”チェイス・アンリが抜擢されたのか…今月中にもシュツットガルトと契約か
日本サッカー協会(JFA)は3日、パリ五輪を目指すU-21日本代表の旗揚げとして、7日から9日まで千葉県内で行われる同代表候補合宿に参加する24人を発表。唯一の高校生として17歳のDFチェイス・アンリ(福島・尚志高3年)が抜擢された。 昨年末に就任したU-21代表の大岩剛監督(49)は、3日に応じたオンライン取材で「さわりとして『チーム一体となって、こういう形で戦っていく』と伝えたい」と始動となる短期合宿の目的を説明。代表監督として初めて招集したメンバーに“飛び級”で名を連ねた、大型センターバックのアンリに注がれる期待の大きさが伝わってくる。 1月のA代表合宿にトレーニングパートナーとして招集されたアンリは、前日2日まではU-19日本代表候補合宿にも参加。国際移籍が可能となる18歳を迎える今月24日の誕生日を待って、日本代表MF遠藤航(29)らが所属するブンデスリーガ1部のシュツットガルトと正式契約を結ぶと、ドイツ国内のメディアで報じられている。
身長183cm体重75kgの威風堂々とした体躯
パリ五輪世代となる2001年1月1日以降に生まれた、24人の俊英たちが選出されたリスト。8人が招集されたディフェンダー陣の最後がひときわ異彩を放っていた。 MF鈴木唯人(20、清水エスパルス)やDF西尾隆矢(20、セレッソ大阪)をはじめ、 Jリーグの舞台ですでに活躍しているプロ選手が23人を占めたU-21代表候補に、所属チーム欄に「尚志高」と記された17歳のアンリが堂々と名を連ねていたからだ。 週明けの7日から千葉県内で始まる強化合宿の期間は、シーズン中ゆえに9日までの3日間に限定せざるをえなかった。ヴィッセル神戸と鹿島アントラーズの所属選手は、練習試合が予定されている合宿最終日から中1日の11日に“金J”として、明治安田生命J1リーグ第4節を控えるスケジュールが考慮されて選外となった。 さまざまな制約が課された状況でも、昨年末の就任から初めての活動を3月第2週に組んだ最大の目的を、オンライン取材に応じた大岩監督はこう説明した。 「当然ながらコンセプトを落とし込むまでにいきませんけど、さわりとして『チーム一体となって、こういう形で戦っていく』と選手たちに伝えたいと考えています」 アジア予選をへて2024年のパリ五輪へとつながっていく、約2年半におよぶ戦いの第一歩となるからこそ、しっかり伝えたい思いがある。最初の招集メンバーに唯一の高校生として抜擢されたアンリには、それだけ大きな期待がかけられている。 国内組だけを対象として、1月17日から21日まで千葉県内で行われたA代表合宿。開始直前の段階で、当初招集したメンバーから負傷や海外移籍などで辞退者が出た状況を受けて、森保一監督(53)は3人のトレーニングパートナーを招集した。 GK北川空(21、流通経済大3年)とFW佐藤恵允(20、明治大2年)に、身長183cm体重75kgの威風堂々とした体躯と、粗削りながらスケールの大きな高さと強さを誇るアンリが加えられた人選には、実は大岩監督の推薦が反映されていた。 「五輪代表を含めた強化につながる、若い選手を招集しようと考えていました」