福島原発で燃料デブリ試験的取り出しに成功…大震災から13年
福島第1原発を運営する東京電力が2日、核燃料デブリの試験的取り出しに成功した。東日本大震災が発生した2011年から13年目だ。日本政府が約束した2051年の福島原発廃炉のために必須のデブリ(debris)取り出しが行われ、計画が本格化するかどうかが注目される。 ◆5ミリの核燃料を取り出し 福島原発に残っている燃料デブリは計880トン。この日、格納容器の外に移すのに成功したのは直径約5ミリの量だ。極微量だが、廃炉のための一歩を踏み出したという意味がある。 今回取り出したデブリは別途の格納庫内の特殊装備(隔離箱)の中に保管中だ。東京電力は放射線量を早ければ5日ごろ測定する。放射線量が危険レベルを超える場合、デブリはまた格納容器の中に戻す予定だ。 取り出し決定が出れば専用容器に入れて茨城県の日本原子力研究開発機構(JAEA)研究所に移される。ここで実際にデブリを研究することになるが、研究結果は福島原発廃炉作業のための資料として活用される予定だ。 ◆失敗と誤作動を繰り返した取り出し作業 東京電力がデブリ取り出しに動き出したのは2021年。しかし装備の問題で延期になった。ロボット形態の装備を開発して試験的な取り出しに挑戦したのは8月だ。長さ22メートルの伸縮式パイプの先端に爪形器具を付け、原発の格納容器の内側に入れる形で挑戦した。 しかしパイプ連結のための作業で職員が順序を誤って配列し、作業が中断した。東京電力の経営陣が急派されて原因を分析したが、点検不足という事実が明らかになった。 再度挑戦したのは9月だ。今度はカメラに問題があった。装置の先にカメラを付けて遠隔で状況を確認しながら燃料デブリを取り出すが、映像が映らずまた作業が中断した。 ◆福島原発の廃炉 東京電力が「廃炉のための最大の難関」に挙げるデブリの取り出しに試験的に成功したが、廃炉時点が具体化するまでには相当な時間がかかる見込みだ。今回のデブリ分析を通じてデブリ取り出し計画を樹立した後、実際の着手に入るからだ。具体的なデブリ取り出し工法もまだ決まっていない。 ただ、日本政府は今回の取り出しに期待感を抱いている。東京電力が先月30日にデブリを取り出す映像を公開すると、伊藤忠彦復興相は「世界的にも前例がない技術的難易度が高い方式」とし「今後、廃炉の根幹となる最も難しい作業段階に入ると聞いている」と述べた。