第2次トランプ政権で「世界の分断が進む」ってどういうこと? ウクライナ、欧州政策にひそむリスクとは【親子で語る国際問題】
世界の分断が深刻化する可能性も
また、第2次トランプ政権のウクライナ政策で懸念されるポイントがもう1つあります。それは米国と欧州の分断です。トランプ氏は政権1期目の時、NATOや国連を軽視する姿勢を鮮明にし、パリ協定などの国際的枠組みから一方的に離脱し、欧州との間では亀裂が深まっていきました。 トランプ氏は今回の選挙戦の最中にも、NATO加盟国が十分に防衛費を払わないならロシアによる脅威から守らないなどと発言し、欧州では大きな物議を醸しました。 第2次政権でもその姿勢を貫くことが考えられ、トランプ氏がウクライナ領土をロシアが実効支配する現状での戦争終結案をウクライナに提示すれば、米国と欧州との間では再び亀裂が生じ、世界の分断がいっそう深刻化することが懸念されています。
この記事のポイント
①トランプ氏は、ロシアがクライナ東部を占領したまま戦争を終わらせる考え ②ゼレンスキー大統領が拒否した場合、アメリカのウクライナ支援が停止する可能性も ③トランプ大統領がNATOや国連を軽視する姿勢を貫く場合、世界の分断が深刻化する 【記事執筆/国際政治先生】 国際政治学者として米中対立やグローバスサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
記事執筆/国際政治先生