在宅勤務でもソフトスキルを高める7つのステップ
■観察力を磨く 非言語的な合図やボディランゲージを読み取ることは、より効果的なコミュニケーションを取り、より強い人間関係を築くのに役立つ。ただし、物理的に一緒にいない相手の体や身振り、周囲の状況をすべて見ることができない場合は、雰囲気を読もうとしても一筋縄ではいかないと、ロスバードは言う。「同僚が顔をしかめているのは、自分の言ったことが原因なのか、彼らの子どもが部屋に入ってきたのか、別のズーム会議が始まっているからなのかと、悩むでしょう」 状況の変化や些細な発言は誤解につながりやすい。だからこそ観察力と直感力を鍛える必要があるとコラリーは言う。同僚の表情や声のトーンに細心の注意を払い、言動が一致するサインを見逃さないようにする。「どのようにメッセージを伝えているか、言葉と言葉の間に注目します。目的は、ズーム中に真実の瞬間を探すことです」 ■フィードバックを求める 対面で話している時と同じように、その場で指導や助言を受けられるわけではないから、チームやマネジャーからのフィードバックを積極的に求める必要がある。定期的なチェックインという形でもよいし、すぐに感想を求めることもできるとコラリーは言う。たとえば、このように伝えてみよう。 「素晴らしいミーティングでした。このプロジェクトで一緒に働くことができて嬉しいです。もう一つ、私は自分の成長に関心があり、ソフトスキルを伸ばしたいと思っています。今日の私についてフィードバックをいただけないでしょうか。何か違うやり方もできるでしょうか」 チームミーティングやプレゼンテーションの前に、自分がどのようなフィードバックを求めているのかを、マネジャーに的確に理解してもらう方法を考えてみようとロスバードは助言する。リモートの利点を活用して、リアルタイムで改善するために、同僚や上司に直接メッセージを送って、フィードバックを求めることもできるだろう。 何かを主張する際は、たとえば「私は別のアプローチを取れるでしょうか。グループにとってどの主張がより響きましたか」とつけ加えることもできる。ただし、相手の気持ちを乱さないように、慎重さが必要だ。あなたが求めているフィードバックは、「誰かがテーブルの下であなたの足を蹴ったり、あなたに眉をひそめたりすること」でもありうる。 ■仕事への意欲を示す リモートワーカーとして、信頼関係を築きながらマネジャーや同僚にソフトスキルを示すためには、特別な努力が必要だとロスバードは言う。たとえば、時間や仕事量を効果的に管理して、タスクに優先順位をつけ、計画が変わっても柔軟に対応できることを証明する。「昇進したければ、人を感動させなければならない」 具体的な結果や迅速な対応を通じて、仕事への意欲を示す。期待に応え、期限を守るという規律面も重要だ。定期的にコミュニケーションを取り、信頼できるチームメンバーになること。何時間も連絡が取れないようではいけないと、ロスバードは言う。集中するために「電源を切る」必要がある時は、上司やチームメンバーにあらかじめ伝えて、やる気がないのではなく、生産性が高い証であることを理解してもらう。 「アウトプットを出すことは大前提として、自分のプレゼンスを示して機敏に反応し、『あなたはどのような人か』という問いに答えなければならない」 ■対面での時間を確保する リモートワークが中心だという人も、時々、同僚と顔を合わせる機会をつくることは、プロフェッショナルとして成長するための投資になるとコラリーは言う。在宅勤務では、チームのダイナミクスに貢献するための「練習」が十分にできない。「ジムに行かずに筋肉をつけようとはしないだろう。筋肉をつけるためにはジムに通わなければならない」。人間関係も同じだ。「つながって、学んで、成長するためには、ときどき直接、顔を合わせる必要がある」 これはキャリアをスタートさせる際、特に重要だとコラリーは続ける。月に1回、四半期に1回、必ずオフィスに出向くことは不可能だという人もいるだろうが、少しでも顔を出すことは役に立つ。「そうした機会にこそ、力強いチーム文化を築いて仕事へのエンゲージメントを高めるような、ちょっとした暗黙のシグナルや、表立ったものではない振る舞いに気づくことができる」 ■覚えておくべき原則 ■やるべきこと ・自分がどのソフトスキルに取り組むべきかを見極めて、自分の個性のさまざまな部分を伸ばして高めるような活動を含む、スキルの開発計画を立てる。 ・好奇心を持ち、人の話に積極的に耳を傾け、同僚の重要な事柄に気づいて、注意を払っていることを示す。 ・積極的にフィードバックを求め、改善の機会を逃さない(バーチャルワークでは結果として逃しやすい)。 ■やってはいけないこと ・会話を受け身にしない。単純な答えだけでなく意味のある質問を投げかけて、同僚とつながる努力をする。 ・何時間も姿を消して、どこにいるのかとチームに思わせない。信頼関係を築き、仕事への意欲を示すために、信頼されるような対応をする。 ・直接、顔を合わせて時間を過ごすことの重要性を軽視しない。そうした時間は、プロフェッショナルとしての成長とソフトスキルの向上に欠かせない。 "How to Improve Your Soft Skills as a Remote Worker," HBR.org, January 08, 2024.
レベッカ・ナイト