DEX「Sushi」、DAOと評議会を統合した新ガバナンスモデル導入
Sushiが新しいガバナンスモデルを導入
分散型取引所(DEX)の「スシ(Sushi)」が、同プロトコルの新たなガバナンスモデルとして分散型自律組織 (DAO) と評議会構造を統合したモデルの導入を6月12日に発表した。またこれに際して、新製品開発を主導する「スシラボ(Sushi Labs)」の設立も発表している。 今回発表された新ガバナンスモデルは、これまで通りDAOとして稼働している「スシDAO(Sushi DAO)」は維持しガバナンスに利用しながらも、評議会を導入するという。そして詳細についてはこの評議会の少数のメンバーが決定権を握るといういうモデルになっている。 これにより現在の分散型金融(DeFi)分野に求められている急速なプロダクト開発などに必要な「高速な意思決定」の可能を目的としているという。DAOを介した意思決定には煩雑で、プロトコルの対応の遅れが生じるという側面があり、これを緩和するための提案といえる。 この決定はDAOの運営を停止するものではなく、DAOは引き続き運営が行われる。しかしこれまでに比べ運営が中央集権化することは事実であり、これに対する批判を行うユーザーも存在し、賛否両論が集まっている。 「スシラボ」は「スシ」に関連するプロダクトの開発を進める機関として運営されるという。また設立に際し、「スシDAO」から2500万トークンの割り当てを受けることも発表されている。 なお今後「スシラボ」は「スシDAO」のトークノミクスを全面的に見直し、複数の製品の開発によるリスクを軽減することを目的に、複数のトークンを発行する「マルチトークンエコシステム」の構築を目指すという。 「スシ」はブログにて「スシラボは、スシDAOを補完し、より迅速かつ効率的な開発を推進し、競争の激しいDeFi業界で先頭に立つために設計されています」と語っている。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)