センバツ高校野球 健大高崎、初戦突破 先発佐藤が9奪三振 /群馬
第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に2年連続7回目出場の健大高崎は大会第2日の19日、学法石川(福島)を4-0で破った。先発の佐藤龍月(りゅうが)(2年)が、7回を9奪三振と好投した。健大高崎は春7回、夏3回の甲子園で通算15勝目を挙げた。2回戦は第7日の第1試合(24日午前9時開始予定)で、明豊(大分)と対戦する。【早川健人、鴨田玲奈】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 健大高崎は生徒約250人に、保護者と教員、県人会関係者らを合わせた計約600人がアルプス席で観戦した。序盤は投手戦になったが、六回に相手投手の二つの暴投を誘ってようやく先制。応援団はメガホンをたたき、健大カラーの青いタオルを掲げて左右に揺れながら喜んだ。 生徒指導部長の早川允規教諭(47)は「今年の投手陣は期待が持てる。一丸となって応援したい」と力を込めた。控え捕手の金井俐樹(りき)(3年)の父で、野球部父母会長の弘樹さん(51)は「選手、指導者、父母会が最高の準備をしてきた。昨年は初戦敗退で悔しい思いをしたが、今年は優勝を目指してまず初戦突破する」と言い切った。 七回1死二塁、佐々木貫汰(3年)が左前に適時打を放ち、1点を追加した。母の美穂さん(45)は「昨秋の関東大会は不調で、本人も悩んでいた。チームメートに甲子園へ連れて来てもらったようなものなので、本当に『ありがとう』という気持ちです」と喜んだ。青柳博文監督も「佐々木の2点目で少し有利かなと感じた」。さらに田中陽翔(3年)と主将の箱山遥人(同)の適時打で、勝負を決めた。 次戦の明豊について、箱山は「初戦を1-0で勝ち、粘り強い印象だ」と警戒した。 ◇新装チア、応援一丸 ○…アルプス席では、新しいデザインの衣装に身を包んだチアリーダー部員がパフォーマンスを披露した。近年、チアリーダーが観客席で盗撮される被害が相次いだことから、従来のスカートから半ズボンに変更した。部長の小沢愛莉さん(17)は「野球部とおそろいのデザインなので一体感があっていいなと思う」と話した。副部長の松村真生さん(17)は「スカートがキラキラで気に入っていたが、盗撮を気にせずに思いきり踊れるのはうれしい」と笑顔でエールを送った。 ……………………………………………………………………………………………………… ■ズーム ◇聖地で会心の2安打 健大高崎・田中陽翔(はると)遊撃手(3年) 「甲子園での2安打は格別。地方球場と違って観客席が広かったけれど、ビビらずに打てた」。この日、チームでただ一人の2安打に胸を張った。初回に左前打。七回は3点目となる右前適時打を放った。 1年前のセンバツは、アルプス席で応援していた。1年生の秋はレギュラー入りしたが、11月に膝を手術し、3週間近く入院した。「早めに治して最上級生で甲子園を目指すと自分で決めたので、悔しい気持ちはなかった。プレーする先輩たちや同級生を『かっこいいな』と思って見ていた」と振り返る。 チームは学法石川の先発投手を打ちあぐね、五回まで無得点が続いた。「ミーティングを重ね、青柳博文監督や生方啓介部長から『相手のテンポに合わせず、じっくり見て早打ちするな』という指示が出ていた」と明かした。自分も「力が入って体が開いていた」ので修正し、適時打につなげた。 父の充(たかし)さん(48)は、ロッテなどに在籍した元プロ野球投手。アルプス席で「初戦の気負いもあったと思うが、よくつないでくれた」と喜んだ。