令和の新入社員が「ほめてくれる上司」を求める納得の理由
単にほめればいいワケではない! 良いほめ方・悪いほめ方
ほめる教育も、不適切なほめ方をすると逆効果になりかねません。「良いほめ方」と「悪いほめ方」を解説します。 ▼良いほめ方 (1)具体的にほめる 部下をほめるときは、具体的にほめましょう。「すばらしいプレゼンだったね」では不十分です。たとえば「どこが良かったのか?」に着目してみてください。すると「データが充実していた」「結論が分かりやすかった」といった点が見えてくるはず。 それならば、「データの分析が丁寧で説得力があり、結論も明確で分かりやすかった。すばらしいプレゼンだったね」とほめるのです。 もう一つ、「前と比べて、どこが変わったのか?」に着目する方法もあります。すると「前は小声だったけれど、今日は話し方が堂々としていた」といった変化に気づけるはず。 それならば、「今日は自信に満ち溢れていて、頼もしかった。声がクリアでよく通り、思わず聞き入ってしまったよ。すばらしいプレゼンだったね」と具体的にほめることができるでしょう。 (2)ほめる基準をつくる ほめる基準をつくり、その基準を満たしていればほめる、満たしていなければほめない。これが良いほめ方です。 必ず「どんな行動をすればほめるのか?」を決めてください。たとえば営業なら、「顧客に初めて会う前、課題を予測し、説得力ある資料を用意できた」、工場スタッフなら「前日できなかった工程を、朝番に分かりやすく伝えられた」といった具合です。 もしもほめる基準がなかったら? 同じ行動をしても、上司や先輩の機嫌によって「ほめる」「ほめない」が分かれてしまうケースも出てくるでしょう。基準なき「ほめ」は無法地帯を生み出します。すると新入社員は戸惑い、何をして良いか分からなくなります。必ず「ほめる基準」をつくり、ほめてください。 しつけも大切です。「ほめる基準」から外れたことをした場合は注意して、正しい道へと導くことも意識してください。 (3)すぐほめる ほめるタイミングも大事です。ほめるべき行動をしたら、なるべくその場でほめましょう。人間の心理として、タイミングが早ければ早いほど、「頑張るとほめられる」という意識が刷り込まれます。そして「もっと頑張ろう」「頑張ってみよう」という好循環が生まれるのです。 ただし注意したいことがあります。それは「大勢の前でほめられると気が引ける」「ほめられたいけれど、みんなの前ではほめないでほしい」と考える令和の新入社員も多いということです。周りに人がいるならその場ではほめず、個別でほめられるタイミングを探した方が良いでしょう。