令和の新入社員が「ほめてくれる上司」を求める納得の理由
毎年、春からこの時期にかけて話題になる新入社員の教育。特にここ数年は、「今どきの新入社員にこれまでの叱る育成法は通用しない」などと言われていますが、なぜ今、"ほめる教育"が必要とされているのでしょうか? 「管理職の罰ゲーム化」が加速する日本の職場...その原因とは? 自身の経験に脳科学や心理学をミックスした人材育成メソッド「ほめ育」の開発者で、人材研修の専門家、株式会社スパイラルアップの原邦雄代表が解説します。
なぜ今の時代に、ほめる教育が重要なのか
令和の新入社員を見て、「何を考えているのか分からない」「注意したいことは山ほどあるけれど、辞められそうで我慢している」とモヤモヤしている方も多いはず。「もうお手上げ」と、半ば諦めているかもしれません。 昭和生まれの上司や先輩の目には、「考え方が甘い」「社会人としての常識に欠ける」と映る面もあるでしょう。「ほめる? そんなことをすると、余計に努力しなくなる」「そもそも、ほめるところなんてない」と感じているかもしれません。 でも、令和の新入社員だからこそ、ほめてほしいのです。主な理由は次の通りです。 ▼"承認"に慣れている デジタルネイティブの彼らは、SNSでのやりとりを通じて、"承認されること"に慣れています。だから「ほめる」という承認がプラスに働くのです。 SNSの世界では、承認はシンプルでスピーディです。たとえば「いいね!」ボタンを押すだけで、相手に対する共感や賞賛を示すことができます。本人も簡単にそれらの承認を目にすることができます。 子どもの頃からSNSを使いこなし、日常的に承認される環境で育った彼ら。だから「承認」を行うほめる教育は、とても相性が良いのです。 ▼"自分らしさ"を評価されたい 令和の新入社員は、"自分らしさ"を大切にします。そのため個性をほめて伸ばすと、成長のきっかけになるのです。 彼らは、多くの情報に自由に触れながら育ちました。インターネットやSNSを通じて垣間見える世界には、さまざまな人種や宗教、価値観の人がいます。だから「みんな違って当たり前」と考え、多様性に寛容です。むしろ周りと同じであるよりも、"自分らしくある"ことを重視するのです。 ほめることは、その人の個性や、ならではの行動を賞賛すること。だからほめる教育を行うと、水を得た魚のように育つのです。