「MARCH以上の大卒と結婚したい」学歴にこだわる35歳女性。学歴レベルが近いと価値観が近い、は本当か?
「大卒」にこだわっていた本当の理由
つまり、T花さんが懸念しているのは、彼の「収入と社会的地位」、それに「世間体」です。 彼は、大手企業に勤務していて、収入は安定しています。T花さんは結婚をしても仕事を続けるつもりだから、収入面の心配はありません。彼は仕事に対する姿勢も前向きで、人当たりがよく、明るい人柄とのことですから、会社での評価も高いでしょう。何より、T花さん自身が「また会いたい」と思える相手です。 「親戚や友達にどう思われるかという世間体を気にして、交際をあきらめるのはもったいないのではないでしょうか」そう伝えると、T花さんの表情は明るくなり「たしかにそうですよね!」と納得し、彼との交際を続けることにしました。 おつきあいをして半年ほどたった頃、T花さんは彼を両親に紹介しました。両親も彼に好印象を抱き、「将来は結婚を考えている」と話すと、とても喜んだそうです。 その後、二人は結婚をして、T花さんの実家の近くに建てた家で暮らしています。 やがて子どもが産まれて、T花さんは1年間の育児休業を取得して職場に復帰しました。今は両親の手を借りながら、夫婦で協力して子育てをしています。 夫は家庭ではよき父親であり、会社では責任のある仕事を任されているそうです。「あのとき、高卒だからという理由で、彼をあきらめなくて本当によかったです」とT花さんは話してくれました。
「MARCH以上」の条件の奥にある思いを掘り下げる
もう一人、学歴にこだわる婚活女性を紹介します。 M里さんは、化学メーカーに勤務する35歳。ゆるく婚活を続けていますが、「なかなかうまくいかない」と、私のところへ相談に来ました。 M里さんの「理想の人リスト」にもまた、最初に「大卒」という文字があります。しかも「MARCH以上」という条件付きです。 「なぜ出身大学にこだわるのですか」と、私はT花さんにしたのと同じ質問をしました。すると、M里さんは、次のような理由を話してくれました。「私自身が、努力をして大学を卒業しています。自分と同じか、それ以上の努力をしてきた人なら信頼できるからです」「大学での4年間は充実していたし、いい友人にも出会えました。同じような経験を持っている人となら、価値観が合うと思います」 しかし、同じ大学を卒業したとしても、価値観はさまざまです。大学を卒業して10年以上たって、いまだに「受験勉強をがんばった」とか「大学時代が楽しかった」とか、過去の栄光をひきずっていては、前に進めないのではないでしょうか。 もちろん、努力したことを誇りに思うのはいいことです。しかし、それは自分自身を支えるものであって、他人に同じことを求めたり、強要したりするものではないはずです。 ▶つづきの【後編】では、M里さんの婚活の行方についてお伝えします。MARCH以上の大学卒の同じ価値観の男性はあらわれるのでしょうか。
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー 伊藤友美