【Bリーグ】篠山竜青が川崎の未来に馳せる思い「どういう選手たちと文化を築いていくのか。その姿勢が大事」【バスケ】
最終節の第1戦で千両役者ぶりを発揮
B1リーグは60試合の長いレギュラーシーズンを終え、今週末からいよいよチャンピオンシップ(CS)に突入する。 しかし、そこに川崎ブレイブサンダースの名はない。 横浜ビー・コルセアーズとのレギュラーシーズン最終節に臨む時点で、川崎は中地区4位、ワイルドカードでも4位の32勝26敗としていた。ここからCSに出場するためには、まずは自分たちの連勝が必須条件。加えて、ワイルドカード2位の千葉ジェッツが連敗すること、あるいは中地区2位のシーホース三河が連敗すること、さらには同じく中地区で1ゲーム差を追うサンロッカーズ渋谷の試合結果も影響していた。いずれにしても、千葉Jと三河が勝利した時点で、自分たちの試合結果に関係なくCS出場への芽は摘まれる状況だった。 第1戦のティップオフは15時35分。試合開始からほどなくして、先に試合が始まっていた千葉Jが秋田ノーザンハピネッツに勝利。さらに、3Q中には三河が三遠ネオフェニックスに勝利し、川崎のCS進出の希望は絶たれた。 もちろん、チームや選手はそれを知らない。クラブスタッフの中には他会場の結果を追う担当者もいたはずだが、それは伝えない。コートサイドで写真を撮影しながら結果を追っていた我々記者陣もいち早くその事実は分かっていた。川崎ファンの中にもそれを察した方はいたはずだ。 第1戦は大接戦だった。前半はデビン・オリバーが3Pシュートやカッティングからリズム良く得点した横浜BCが試合をリードし、7点差で折り返す(43-36)。3Qでも河村勇輝とカイ・ソットを中心にさらに点差を広げ、最大13点の差をつけた。 しかし、試合はまだ終わらない。勝負の4Qで真価を発揮したのは篠山竜青だった。ニック・ファジーカスに次ぐチーム2番目の年長者、川崎一筋12年を戦うベテランは4Qで10分間フル出場。開始わずか9秒で3Pを射抜いて点差を1桁に戻すと、その約3分後にも再び3P、さらには4本のアシストで味方のチャンスを演出。残り3分16秒には速攻からレイアップをねじ込み、川崎に2Q中盤以来初となるリードをもたらした。 この大活躍には佐藤賢次HCも「今日は(藤井)祐眞が激しくディフェンスをされて難しいシュートを打ってしまったりと、ゲームコントロールの部分で少し苦戦している中で、竜青はその情報をもとに、どこがチャンスでどこがズレるのかというところをPGとしてしっかりとコートで表現してくれました。プラスマイナスも今日に関しては竜青が+24で、祐眞は-18でした。経験のあるPGとしての実力を遺憾なく発揮してくれたと思います」と賞賛。 延長戦までもつれたこの試合で、結局篠山は最後の15分間コートに立ち続けた。そして、記録した全11得点を4Qと延長戦だけで記録した彼の活躍、さらには河村へのしつこいディフェンスで貢献した長谷川技や飯田遼の粘りなどもあり、川崎は総力戦で横浜BCを退けたのだった。 「自分が出たときにはもっともっと人とボールが動くようにと意識していますし、コート上の5人の強みと弱みを考えてプレーするところが、今日は良い形になったと思います。一つの指標でしかないですけど、プラスマイナスはシーズンを通して自分の中で気にかけていた数字。スタッツに表れない部分やゲームコントロールで貢献できればというのは、ここ数シーズン同じ思いでやっています」 篠山は自身のパフォーマンスをそう振り返った。