上田竜也が語る“舞台に立ち続ける理由” 「自分の活動がファンの充実感に繋がればいい」
■ファンは第1に考えるべき存在
――本作だけでなく、さまざまな舞台を経験されてきた上田さんが思う、舞台ならではの魅力を教えてください。 上田:舞台って、アクシデントが起きることもありますし、セリフの言いまわしが回数を重ねるごとに変わることもあるんです。そういう意味では、毎回同じことができない、起きないのが舞台ならではの魅力じゃないかなと思います。初日が明けてからどんどんクオリティーが上がっていく可能性があるんですよね。もちろん初日から100%を出しますが、公演を重ねるごとに150、200%を超えるかもしれないのが、演じる側としても面白いです。同じセリフを言い続けるので、初日と千秋楽を見た方は「表現の仕方や言い方が変わっている!」という楽しみ方もできると思います。 ――ドラマや映画などの収録なら、それこそアクシデントが起きたら撮り直しになるけれど、舞台はそういう訳にはいかないですもんね。 上田:そうなんです。アクシデントが起きたとしても成功を収めるにはどうすればいいのか、みんなでフォローし合うんです。それも舞台の醍醐味だと思いますね。 ――今も定期的に舞台に立っているのは、そういう楽しみや刺激を味わいたいから? 上田:もちろんそれもありますが、見に来てくれる方々に何かを持って帰っていただきたいという気持ちがあるんです。それが楽しかった、面白かったでもいいですし、重たいものが突き刺さったでもよくて。とにかく見ていただく方々に刺激を与えられたらと思って、舞台に立ち続けています。逆に「意味が分からなかった」という感想だけで帰っていただくわけにはいかないと思っています。せっかくお金を払って来てくださる方に、申し訳ないですから。 ――今のお話もそうですが、上田さんはファン思いというイメージがあります。そんな上田さんにとってファンはどういう存在ですか? 上田:何と言えばいいのか分かりませんが、とにかく第1に考えなきゃいけない存在です。自分が仕事をするうえで、どうしたらファンの方々がワクワクして応援してくださるのかは常に意識しないといけないと思っていて。自分の活動が、ファンの方々の充実感に繋がればいいなと思っています。舞台もライブも含めてすべての活動は、見てくださる方々に楽しんでいただくためにやっているので、僕にとってファンは、第1に考えなきゃいけない存在ですね。 (取材・文:M.TOKU 写真:上野留加) 舞台『破門フェデリコ~くたばれ!十字軍~』は、東京・PARCO劇場にて8月6日~9月1日、愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて9月7日~8日、大阪・森ノ宮ピロティホールにて9月11日~16日、福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて9月21日~22日上演。