カルロス・ゴーン被告 古巣・日産とホンダの経営統合に疑問「同じ分野で強く、同じ分野で弱い。理解不能」
金融商品取引法違反などの罪に問われ、逃亡中の元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告が23日、レバノン・ベイルートから日本外国特派員協会のオンライン会見に出席し、ホンダと日産自動車の経営統合交渉に疑問を呈した。 ホンダと日産はこの日、それぞれ取締役会を開き、経営統合に向けての本格協議を始めることを決めた。来年6月の基本合意を目指す。 こうした動きについて、ゴーン被告は「少し驚いた」と率直な感想を口にした。「ホンダと日産に補完し合うものはまったくない。この2つの日本企業は同じ分野で強く、同じ分野で弱い。産業的には私にとって理解不能」と理由を説明した。 その上で、「経産省が日産の経営権を失いたくないと決めたのであれば、政治的には理解できる」とも述べた。 台湾のホンハイ精密工業が日産の株式所得に向け、日産の筆頭株主であるルノーと交渉中であると、台湾メディアが報じている。これについては「非常に大胆で興味深い。彼らの方が日産より資金力があり、将来的な計画も持っている」と、興味を示した。 ゴーン被告は2018年11月、有価証券報告書に虚偽の記載があった疑いで、役員とともに逮捕。特別背任の罪にも問われていたが、保釈中の19年12月に逃亡した。