【体験談】ミスコン出場の医大生タレント 浪人生活では「スマホは遠ざけて」メンタル管理
大学入試の結果によっては、浪人が避けて通れないこともあります。暗いイメージがある浪人生活ですが、実際はどのような日々なのでしょうか。1浪して国立大学医学部に合格し、TikTokなどでも人気の医大生に聞きました。 【写真】高校時代も浪人時代も、あちこちの大学のオープンキャンパスに参加した。写真は広島大学に行った際のもの
宇江美沙希(うえ・みさき)さんは、広島大学医学部の6年生です。2021年には「ミス・ジャパン」コンテストで準グランプリに選ばれ、一躍注目を集めました。現在は卒業試験や国家試験に向けて忙しい日々を送りつつ、TikTokやYouTubeなどで多くのフォロワーを持つ医学生タレントとしても活動しています。
テスト本番、数学でパニックに
――現役のときの大学入試は、どのような結果でしたか。 鳥取大学医学部を一般推薦、前期日程、後期日程と受けて、いずれも不合格でした。一番の敗因はセンター試験(当時)の数学です。私は解けない問題があるとパニックを起こすところがあり、当日もそれで先に進めなくなってしまいました。センター試験の自己採点の結果は700点台半ば。当初は岡山大学や広島大学も視野に入れていましたが、この2校は800点近く必要だといわれていたのであきらめました。 ――浪人が決まったときは、どのように感じましたか。 それほどのショックは受けませんでした。私は子どもの頃にかかりつけだった小児科の女性の先生に憧れて医師を目指していたので、医学部に入ることは夢をかなえるための絶対条件でした。現役時代は模試もD判定やE判定で「今年は無理っぽい」と薄々感じていたので、不合格なら浪人するつもりでした。
「浪人は1年だけ」と決めた
――どのような浪人生活でしたか。 国立大学の医学部は、センター試験で高得点を取らないと合格は難しいので、夏までの3カ月はセンター試験対策に集中しました。 私が通っていた高校には、浪人中の卒業生が通える「補習科」*というシステムがありました。補習科のメリットは、高校の同級生と一緒に頑張れること。毎朝8時過ぎから15時半まで授業があり、休み時間のちょっとした雑談がいい息抜きになりました。 授業後は塾で自習して、21時過ぎに帰宅し、夕飯をはさんで午前零時頃まで勉強する毎日でした。浪人を決めたときに、両親に「浪人は1年だけ」と約束したので、悔いを残さないよう精いっぱい、勉強しようと思っていました。 *西日本を中心に、一部の公立高校に併設されている学科。浪人中の卒業生らを引き受けて受験勉強を指導する。