求められる舵取り 与党過半数割れで野党第一党・立憲はどう闘うのか?
与党過半数割れで、国会での責任が増した野党第一党の立憲民主党。衆議院予算委員長のポストを手にしたほか、「内閣不信任決議案」は可決が可能な状況に。その一方で目立つのは野党間の足並みの乱れ。立憲民主党の今とこれからを徹底分析する。(政治部 立憲民主党担当 東真子) 【動画】2024年の対決をプレイバック 党首討論 石破首相×立憲民主党・野田代表
■野党第一党なのにちょっと埋没気味? 打破する国会戦略は
2024年の衆議院総選挙の結果、立憲民主党は148議席と躍進し野党第一党となり、自民、公明の与党を過半数割れに追い込んだ。“少数与党”に対峙する“多数野党”のリーダーとして、本来であれば、立憲の存在感は今まで以上に高まってもおかしくなかった。 しかし、衆院選後に野党で脚光を浴びたのは“103万円の壁の見直し”などを掲げた国民民主党。補正予算の採決では国民民主に加えて日本維新の会も賛成にまわり、野党間の足並みをそろえることはできなかった。ある立憲議員は「補正予算もぬるっと成立してしまって、“少数与党が運営に苦しむ国会”という雰囲気は全くなかった。立憲が野党のリーダーになれていない」と落胆モード。 こうした状況に、立憲で国会対策を担当する笠浩史国会対策委員長は「野党をまとめていくということが一番難しい」と話す。その理由について笠氏は「国民民主や維新は選挙公約を実現したいという立場がある。ただ、私たち『野党第一党』は特定の政策だけではなくて、様々な課題について責任を持たなくてはいけない」と述べ、野党第一党として国会運営全体に責任がある点を指摘した。
■立憲が目指す“2つの改革”とは
そんな立憲が2025年に目指す2つの改革が「選択的夫婦別姓」の導入と「企業・団体献金の禁止」だ。 まず一つ目の選択的夫婦別姓について野田代表は、導入するための法案が議論される衆院法務委員長ポストを獲得。国会での議論をリードして実現を目指すねらいだ。笠国対委員長も「選択的夫婦別姓は一丁目一番地であり、なんとしても実現していく。2025年の通常国会の最大のテーマの一つ」だと意気込んでいる。 また、2024年の臨時国会で議論になった「企業・団体献金」の扱いについても引き続き「禁止」を求めていく考えだ。臨時国会では立憲などが提出した「企業・団体献金禁止法案」は成立しなかったが、与野党で「2025年3月末に結論を得る」ことで合意。立憲はこの合意をたてに攻勢を強める構えだ。一方で立憲案では禁止の対象から「政治団体」は除いていて、与野党から「抜け穴」だとの指摘がある。立憲のあるベテラン議員も「抜け穴の印象は拭えず、禁止と言っても中途半端だ」と指摘する。