日経平均は「マイナス金利解除」後にどうなる? 異次元緩和は終わっても、この異次元相場はまだ続く
これらを総合して考えると、18~19日に開催される日銀金融政策決定会合での政策修正の可能性は、大きく高まったことになる。現在の短期政策金利の-0.1%を0.1ポイント以上引き上げて、ゼロ~+0.1%に誘導する案が有力で、2016年2月に開始されたマイナス金利政策はこれで終了することになる。 ■「カジノ」がまだ繁盛すると言えるワケ 金融政策の変更があるという意味で、まさに今は微妙なタイミングと言えるが、直近の2月24日、「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏は、株主へ送った恒例の「株主への手紙」で、アメリカの株式相場を「カジノ的だ」と指摘したのは読者も知っておいでだろう。
確かに、3月12日にはS&P500種指数や独DAX指数が史上最高値を更新し、15日も仏CAC40指数が4連続(2月には7連続)で史上最高値を更新した。アメリカだけでなく、欧州相場も「カジノ的」と言えるかもしれない。 しかし、このカジノはまだまだ繁盛すると思っている。なぜなら、インフレに対抗するために、米欧の金融当局は利上げ政策を続けてきた。だが、2月29日のG20でアメリカを中心にソフトランディングがベースラインになりつつあることが確認された。
つまり、金融当局の勝利と言えるような適温経済への方向性を評価して「カジノは盛況になっている」のであって、決してバブルではない。 一方、日本では、欧米の政策とは真逆のデフレに対抗するために異次元緩和政策を続けてきたが、その象徴であるマイナス金利政策が終わろうとしている。しかし、確かに異次元緩和政策の終わりは近づいているが、異次元相場は続くと思っている。 なぜなら、日本の金融当局が「異次元緩和は終わっても緩和状態は続く」と言明しているとおり、マネーストック(世の中に出回っているお金の量)は史上最高水準が続いているからだ。
また企業業績においても、上場企業の2024年3月期の純利益は約43.5兆円となり、3期連続で過去最高を更新する見通しだ。前期比では13%増え、昨年5月の期初予想から見ても3.5兆円上振れすることになりそうだが、この最も大きな原因は円安だ。 ■日本株が本格的に再評価されるのはこれから なるほど「次の2025年3月期は対前期比での円安効果がなくなり、4期連続とはならずに記録が途絶えるのではないか」と危惧する向きもある。