世界初、コークス炉で「カーボンブラック」廃タイヤから再生産へ…三菱ケミカルが事業化検討
三菱ケミカルグループは、廃タイヤをケミカルリサイクル(CR)して生産する資源循環型カーボンブラックの事業化検討を開始した。香川事業所(香川県坂出市)のコークス炉を活用する。2025年度中に同カーボンブラックの販売開始を目指す。 コークス炉を使い廃タイヤから再生産した同カーボンブラックの販売は世界初とみている。7月から実証実験を開始した。コークス炉の既存プロセスへの影響や廃タイヤの回収・破砕など仕組みの構築についても検討する。 同カーボンブラックは25年度に年間数千トン規模、30年度には年間数万トン規模の販売を目指す。通常品と同等の性能を有しつつ、タイヤの水平リサイクルの実現に貢献することで、タイヤ業界で高まるサステナブルな原材料のニーズに対応する。 同社の炭素事業は、25年3月末までに香川事業所でコークスの生産能力の40%削減を公表するなど厳しい事業環境が続く。一方で、今回のコークス炉を活用した廃タイヤのCRによる同カーボンブラックに新規の事業性を期待する。