定年退職後の健康保険の選択肢は大きく分けて4つある。どう選択するのが一番得なの?
定年退職をすると、会社の健康保険から脱退し、自分で健康保険を選ばなければならなくなります。 しかし、選び方によって支払う保険料や受けられる給付内容が変わってくるので、悩むことがあります。本記事では、お得な健康保険を選ぶポイントを解説します。
定年退職後の健康保険の選択肢
定年退職後の健康保険の選択肢には、大きく分けて4つあります。 ■1. 再雇用・再就職先の健康保険に加入する 定年退職後も再雇用で働く、または転職して社会保険に加入して会社員として働く場合は、これまでと同様に勤務先の健康保険に加入できます。 正社員はもちろん、短時間労働者であっても条件を全て満たす場合には加入できます。保険料は会社と折半して支払います。 ■2. 健康保険を任意継続する 任意継続は、退職する前の会社の健康保険に引き続き加入できる制度です。在職時の保険料は会社との折半でしたが、任意継続では全額自己負担となります。また、任意継続では家族を扶養に入れることができます。 ■3. 家族の健康保険に扶養家族として加入する 配偶者や子など、健康保険に加入している家族が生計を維持しているなら、その家族に扶養してもらうことで、健康保険に加入できます。配偶者や子などの健康保険に入ることで、保険料の自己負担はゼロになります。 被扶養者になるには、60歳未満であれば年収130万円未満、60歳以上であれば年収180万円未満であること、かつ被保険者の年収の2分の1未満であることが要件です。 ■4. 国民健康保険に加入する 上記3種類のどの健康保険にも加入しない場合は、自営業などと同様、居住する自治体で国民健康保険に加入します。 また、国民健康保険の保険料は前年の所得を元にして決まります。その他詳細な条件については、図表1で確認してください。
日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・健康保険の適用拡大のご案内」、全国健康保険協会「健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について」、厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」、全国健康保険協会「健康保険の加入条件」より筆者作成