恩師・齋藤秀雄に感謝し24日コンサート チェロ奏者17人が感謝込め座談会
長野県松本市で開催中の国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で24日、桐朋学園創立者の一人で、OMF総監督の小澤征爾さんら一流の音楽家を大勢育てた齋藤秀雄(1902~74)の没後50年を記念し、齋藤に教えを受けたチェロ奏者17人でつくる「チェロ・アンサンブル・サイトウ」のコンサートが開かれる。本番を前に23日、17人全員が出席し、齋藤の思い出を語る座談会が市音楽文化ホールで開かれた。 同アンサンブルが昭和57(1982)年に初めて結成され、齋藤の追悼コンサートを開いたことがきっかけとなり、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)発足へとつながった。17人は42年前の最初のメンバー6人をはじめ齋藤に直接教えを受けた弟子と、孫弟子で、30~80代と幅広い年代が集った。 座談会では、齋藤の厳しい指導が語られた。山下泰資さんは練習が不十分なままレッスンに行き、最初の一小節で帰された思い出を披露し「厳しかったが、いつも近くにいて自分のことを考えてくださっていると感じた」としのんだ。教え子とかるたを全力で楽しむ無邪気な人柄を語る人もいた。 最初からのメンバーのうち、堤剛さんは、同アンサンブルやSKOの結成時について振り返った。結成時、メンバーの音はバラバラだったが、練習するとすぐに「ぴたっと合った」といい「齋藤先生の教えは言葉にならないくらい血となり肉となっている」と感謝した。 同じく最古参の堀了介さんは追悼コンサートのパーティーで小澤征爾さんとSKO発足の話が持ち上がったことを明かし、「(SKO発足時は)みんなで2週間練習し、うれしくて懐かしかった。その延長線上に今がある。スタッフとボランティアで助け合って、ここまでこられたのは素晴らしいこと」と振り返った。 同アンサンブルのコンサートのチケットは発売日に完売した。
市民タイムス